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「6秒待つことができないんです」という母の悩み

2018.02.14

先日、東京都小平市で「アンガーマネジメント」をテーマにした講演に登壇しました。
講演終了後、お子さんを連れた女性が質問にいらっしゃいました。

「子どもに対する怒りを抑えきれずに悩んでいます。
アンガーマネジメントも学び、反射的に怒らないために、6秒は待たなければとわかってはいます。
でも、つい衝動に駆られて、反射的にものすごい怒り方をして
どうしたら衝動にかられずに済みますか?」

彼女の後ろには、まだ幼いお子さんがいらっしゃいました。
本当に仲の良い親子に見え、お母さんがそんな悩みを抱えているようには見えません。

私からは、まず「反射的に怒らないために6秒は待たないと」と分かっているのにできない場合は、その場から離れることをお勧めしました。
怒りの対象が目の前にいると、怒りの火が収まらないままになってしまうからです。
ご家庭内のことであれば、別のお部屋に行くことで、怒りの状況から物理的に自分を切り離すことができます。
そこで、落ち着いて、どんな対応をとったらよいかを考えればよいとお伝えしました。

その時は、お時間がなくてそこまでのアドバイスしかできなかったのですが…
このお母さんが、衝動的に起こってしまうそもそもの原因が、別にあるように思えます。

怒りは「二次感情」と言われます。
怒りの前に、不安や不満といった、ネガティブな感情が一次感情として存在し、それが積もり積もったところで怒りにつながるのです。

と考えると、このお母さんがすぐに怒ってしまうのは、一時感情であるネガティブな思いが、自分ではおさえきれないほどに溜まっているのではないかと感じたのです。
だから、怒った状態に対処するだけでなく、もともと抱いている一時感情を処理しない限り、ずっと「ちょっとしたことで起こってしまう」ことが続きかねません。

もう一つ感じたことは、このお母さんが自分に対して、「優しいお母さんであるべき」といった理想を厳しく持っているため、怒る自分自身を必要以上に責めてしまっているのではないか?ということでした。

たとえば「お母さんだって、時々は怒ることだってあるよね」と、「べき」の基準を少し緩めて、自分自身に対して優しくなってもよいのでは?と思えます。
少なくとも良いことをしたときには、思いっきりほめてあげている」ので、時々は怒ってもよいのだ…そんな基準でも良いでしょう。


この図は、「べき」の程度を表す「三重丸」です。
通常は、他人に対しての「許容度合い」を示します。
①の「自分と同じ」ではなくても、「②許せる」レベルが存在するので、その幅を広くすると、「怒る必要のない」部分がひろげられますよ…そんなことを示しています。

今回は、①は「理想の自分」と考えてみましょう。
このお母さんは、理想の自分以外が許せなくなっているように感じられました。
だから②の許容部分があることをもう一度認め、自分への許容範囲を広げていただけたら…と思ったのです。

また、自分を責めるのもネガティブな感情です。
その気持ちが募ることで、また一時感情がいっぱいになってしまっているようにも思えたのでした。

お子さんは、お母さんが大好きでしかたがないように見えました。
そんな自分を、もっと認め、もっと褒めてあげてほしい…そう思ったのです。

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