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何が公平?何がダイバーシティ推進? ~日立製作所「育児・仕事両立支援金」

2018.08.05

日立製作所が、ダイバーシティ推進の一環として、2016年10月1日から「育児・仕事両立支援金」制度を導入しました。
ニュースリリースによると、概要は以下の通りです。
▼日経新聞記事
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/09/0930a.html
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本制度では、共働きまたはひとり親で、小学校就学前の子を養育する従業員には年額10万円、小学校1~3年生の子を養育する従業員には年額5万円を上限に、保育施設やベビーシッターの利用料など、子育てしながら働くために要した費用を「育児・仕事両立支援金」として支給します。
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この制度、Newpicksなどのサイトでは歓迎する声が多かったようです。こうした補助によって、子育て世代が被る「不利」を補えるからと考えたからでしょう。しかし、さまざまな問題を抱えているように感じました。

(1)仕事の成果以外の「属性」によって、企業から報酬が支払われることに対し、その「属性」ではない人がモチベーションダウンにつながらないか?
私は、多様性を推進するためには、原則としてその人の属性による評価をしていては進まないと考えています。「子供がいるから」「女性だから」と、その属性で不利な評価を受けるのは避けるべきと思っています。

一方で、「子供がいるから」という条件が報酬上有利になることも慎重であるべきと思います。子供がいない人のモチベーションダウンも気になります。また子どもを持っていない(持てない)従業員が、就業上の課題を抱えていないとは限りません。それを一律、「子供がいる」という属性で切ってしまうことにも疑問を感じます。

(2)「年間10万円」で「公平な就業環境」整備効果が見込めるのか?
この制度導入は、日立製作所(以下、日立)が大きな方向転換をしたものと受け取りました。つまり、子育て中の社員を「勤務時間を少なくして保護する」から、「子育ての時間をお金で補助するから、勤務時間は減らさないように」と変換したと受け取りました。子育て中社員は、子育てにかかわる時間の負荷によって、そうではない社員と公平な働く環境が損なわれていると捉えたものと思います。
ただ、そう考えると年間10万円というのは少なすぎる気がします。本当にしごとの専念できるような環境が、これで整えられるのでしょうか?中途半端な施策であるように思うのです。

さて、みなさんはどのように感じられましたか?

もし、皆さんの勤務先で同様の制度が導入されたら、どう思われますか?

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