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「人生の折り返し地点で、僕は少しだけ世界を変えたいと思った」

2016.02.11

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NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパンの専務理事である水野達男さんの新刊「人生の折り返し地点で、僕は少しだけ世界を変えたいと思った」の出版記念イベントに参加してきました。
10人限定のこのイベント、著者である水野さんと参加者との対話会形式のもの。
この本を出した栄治出版さんと、シェアオフィス「MG Shinjuku」との共催でした。

当日は、30代初めの方から、まさに人生折り返し年代どんぴしゃりの人が集まりました。

私は不思議なご縁で、水野さんとはFacebookなどでつながっているのですが、実はお目にかかったことはありません。
この機会にお会いしたかったのと、ミドルのキャリアチェンジの事例として関心があったという2つの理由から、即申し込みました。

水野さんは、現在世界的なマラリア撲滅の活動に従事されていますが、そのきっかけとなったのは、前職での挫折だったのだそうです。
アフリカ事業の立ち上げに追われていたある日、突然腰が抜けて動けなくなり、意志から一カ月以上の自宅療養を命じられます。
うつ状態だったそうです。

私が存じ上げている水野さんは、すでにアフリカでの蚊帳普及で一定以上の成果をあげられた後のこと。
その前に、抑うつ状態になるといった大変な経験をされていたことを、今回初めて本で知りました。

外資系企業から財閥系日系企業に転職し、そこで防虫薬品を練りこんだ蚊帳(「オリセットネット」)をアフリカで本格的事業展開する責任者に任命されます。

「これが成功すれば、役員になれるかもしれない…」
当初は経験のないアフリカ事業に戸惑った水野さんですが、サラリーマンとしてのキャリアの可能性気づき、張り切って猛烈に働きます。
そんな時にうつ状態に陥ってしまわれたのだそうです。

「もうサラリーマンとしてのキャリアは終わりだ…」
希望を失った状態で、自宅療養の日々を過ごすうち、水野さんの中で変化が起こります。
ビジネスとしての収益をあげることを考える前に、使う人にきちんと届けることが先決ではないか?
そのことに気づいたのは、子供を失って悲嘆にくれる若い母親の姿を思い出したことがきっかけだったそうです。
「現地の人に届けなくては」という強い思いが、アフリカという環境も住む人の価値観も全く異なる土地での事業での苦難を乗り越える原動力になったのでしょう。

『社会貢献』何て大げさなものではない。自分の仕事を通じて、困っている人の役に立つ。それ以上でもそれ以外でもない。
もし、本当に人の役に立つ製品なのであれば、きっと売り上げや利益も後からついてくるはずだ。そうシンプルに考えると、腹にすとんと落ちた。
(本書 P.9)

水野さんにとっては、アフリカ事業のめざすべきものが見つかっただけでなく、会社を退職したのちの「マラリヤで苦しむ人を世界からなくす」というセカンドキャリアの方向性が示されたことにもなりました。

では、私たちはもっと若いうちに、社会貢献的度の高い目標をみつけるべきなのでしょうか?

私がこの本を読んで強く感じたのは、
昇進、昇格のような、社会一般から求められる「外的基準」を追求する人生と、自分が心から他の誰かのためになりたいと思う内的欲求に動かされる人生は、不可逆的なのではないか、ということでした。

外的な基準で生きる経験があるからこそ、自分の中にある”内的基準”の大切さがわかるし、それにそって生きられる人生の価値もわかるのではないかなと感じました。

だから、「外的基準」で生きている自分を否定する必要はないのですよね。
また、組織人として挫折したからといって、それを悲しむ必要もないのです。
それは、次の人生の目標を見つけるための「生みの苦しみ」かもしれないのですから。
2時間という短い時間でしたが、いろいろなことを考えた濃い時間となりました。
水野さんや主催者の方に、改めてお礼申し上げます。

 

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