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マンガ「逃げ恥」最終巻に見る「大人の女」、百合ちゃんの生き方

2017.03.26


昨年、ドラマで大ブレイクした「逃げるは恥だが役に立つ」の原作マンガの最終巻が発売になりました。
本筋の方はドラマでもひと段落ついていて結末は予測できていたので、私の関心は、もっぱら主人公みくりの伯母である「百合ちゃん」の恋の顛末でした。

物語をご存知ない方はこちらをご覧ください。(ウィキペディアより)

百合ちゃんは、外資系化粧品会社で管理職を勤めるキャリアウーマン。
美人でもてたにもかかわらず、男性経験のないまま、50代を迎えました。

この化粧品会社、原作マンガではあまり詳しく描かれてはいませんが、ドラマでは「自立した女性」をターゲットとしてブランドの訴求をしている会社として登場いました。
このコンセプトは、社員達が、自社の商品をどんな人たちに使ってほしいかを、過去にさんざん議論した結果、生まれたものという経緯も含めて描かれていましたね。

そんな百合ちゃんの仕事に、ある日、ちょっとした事件が起こります。
「自立した女性」をターゲットにしているのに、ここにきて、地方支社で、女性の「異性にモテたい」ニーズを訴求したプロモーションが展開。
まるで、「男性に頼る女性」
本社勤務の百合ちゃんは、自分の上司がそれを許可したと聞いて
「これは私たちがターゲットとしている女性の像とは反します」
「今まで指示してくれた顧客が離れるリスクがあります」
とその上司に抗議します。

声を荒げることなく、しかし毅然と講義する百合ちゃん。
要求は、無事に聞き入れられます。

しかし、部屋を出た後、上司たちがこう話しているのを耳にしてしまうのです。
「融通がきかないよな」
「未だに独身なのが分かる」

あああ~…あるある。
働いている女性に多くは、似たようなことに心当たりがあるのではないでしょうか。

女性が企業社会の第一線で活躍しようとしている時に、決まって言われるのが
「きつい性格」
「固い」
といった形容詞。

同じ発言をしても、男性ならそうは言われないのに、女性だと「きつい」と評されてしまうのは、「女性は優しく穏やかであるべきもの」という無意識のバイアスがあるからではないでしょうか。

ドラマの百合ちゃんは、そのことに対して、さらなる抗議はしません。
抗議したところで、人間の無意識のバイアスは、そう簡単には覆らないことをわかっているのでしょう。
現実は現実として受け入れて、自分にとって本当に重要なことに集中する。
そんな、仕事に対するスタンスも、見習う所が大きいな~と感じました。

でも、だからといって、悪口を言われたことに対して平気なわけではないです。
傷ついている。
だから、思いがけないところで優しくされると、ふっと涙が出ちゃうんでしょうね。
そんな機微も、ドラマ、漫画、双方で描かれていました。

自分の感情を押し殺すのではなく、ちゃんと敏感に受け止めている。
そんな様子も、百合ちゃんが多大な支持を集めた理由ではないでしょうか。

そんな彼女の感情を、年下ながらもしっかり受け止める風見さん。
アプローチしてくる彼を、最初は「年下だから」と拒否していた百合ちゃんですが、最終巻では、彼を受け入れて幸せに…

ここでの百合ちゃんの心理描写も素敵でした。
何より、大人の女というものは、どういうものかが伝わってきましたよ。

「年下だし、この恋愛はうまくいく(結婚?)はしないだろう」
「でも、彼のことは好き」
「結果はどうあれ、今の自分の気持ちに素直になろう」

どんな結果であれ、それを自分の責任として受け入れる覚悟をしたうえで、目の前のことの選択をする…
それができるのが「大人の女」。

百合ちゃんは「うまくいかない」と予想しているようですが、なんとか風見さんと末永く幸せに過ごしてほしいなあと願っています!
何年か先に、そんな幸せな二人を描いてほしいですね。

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