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「誰もが活躍できる組織」プロジェクトに ~大手メーカー様研修~

2025.01.14

昨年のことになりますが、ある大手精密機器メーカーさんのプロジェクトに講師として参画の機会をいただきました。

例年の「組織風土変革」の旗のもと、プロジェクトに取り組んでいるとのこと。、2024年度は「誰もが活躍できる風土」にされました。

勝手ながらグローバル展開もしている、誰もが知っている会社ですが、「ダイバーシティ&インクルージョン」と言う点ではまだ課題が大きいという認識が背景にあったのか…と推察しています。

私が関わったのは、ご提案段階から含めるとおよそ5か月。推進の核となるメンバーに実行プランを策定いただき、その後フォローアップを設け、11月に最終報告会を行うという流れです。

プロジェクトを通じて感じたのは、「ほとんどの人は、基本的には他のメンバーの活躍のために役立ちたいと思っている」ということです。斜に構えたり、これまでの慣習に反して女性等のマイノリティの活躍を推進するのに反動的な言動をしたりといったことを予想していたのですが、受講された皆さんは、こちらの想定以上に真摯にプランをたて、その実行に取り組んでいただきました。

ただ、「多様性」につきものでもある「多様なメンバー同士の利害対立」に苦戦したり、マイノリティへの存在やその思いをつい見逃してしまったりしてしまうこともあります。

だからこそ、こうしてお互いの取り組みを共有することで、自分が気づけない視点を養うことに意味があるのだと感じています。

プロジェクトでは、私が以下のような形でかかわりました。
■OTDワークショップで、自分の無意識バイアスに気づく
実行計画を策定するにあたって、参考にしていただくべく「OTDワークショップ※」をまず受講いただきました。
※OTD:Oraganizational Transoformation by Diversity→組織変革のためのダイバーシティ

このワークショップは、もともと東大の学生向けの授業として実施されていたのを、数年前に社会人向けに翻案したものです。企業の管理職のように、意思決定権限や周囲に影響力のある「マジョリティ」が、マイノリティに抱きがちな無自覚な思い込みに気づいていただくのに非常に有効と思い、、冒頭に設定しました。

ワークショップで気づいたことや学んだことをもとに、自分の所掌範囲で何に取り組んでいただくか実行プランを策定いただきました。

■途中報告会
プランの経過について、報告会を設けました。この時点で、皆さんの真摯な様子にプチ感動…

■最終報告会
取り組み結果を他の社員の方にパネルでディスカッション形式で11月に報告していただきました。ただ、OTDワークショップの内容がわからないと、取り組みの意とも伝わりにくいことから、パネルディスカッションに先立ち、他の社員の方に私からOTDワークショップでお伝えした内容について講演を行いました。

最終報公会では、EQの専門家でもある池照佳代さんも講演に登壇。「メンバーが率直な感情を伝えられる関係が大事」というメッセージを投げかけられました。私からはそうした関係を築くのに、マジョリティ側が持ちやすい無意識バイアスに気をつけましょうとお伝えしたのです。事前に打ち合わせをしたわけでもないのに、まるでつながったかのようなメッセージとなりました。

実は、この会社の事務局の方をOTDワークショップのファシリテーター養成講座にお誘いしました。その方たちがエバンジェリストとなって、組織改革を今後も続けていただければうれしいです。これからも応援しております!

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