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【登壇レポート】「環境への働きかけ」を深める——社会モデルと権力勾配の気づき

2026.03.22

先日、100年キャリア会様主催のアップデート研修で、キャリアコンサルタントの方々を対象に登壇いたしました。

今回のテーマは、「社会正義のキャリアコンサルティング 個と個の支援を越えて」。別の言い方をするとキャリアコンサルタントの重要な役割の一つである「環境への働きかけ」です。

1. 「社会モデル」で捉えるキャリア支援

支援の現場では、どうしても「個人の努力」や「意識変容」に目が向きがちです。しかし、生きづらさや働きのくさの原因を「個人」の側に置く(個人モデル)のではなく、社会の仕組みや構造の側にあると考える「社会モデル」の視点をご紹介しました。

マジョリティとマイノリティの間に生じる不均衡な関係について、ワークを通じて掘り下げていきました。

2. 支援の場に潜む「パワー」の自覚

特に強調したのは、キャリアコンサルタント自身が持つ「パワー」への自覚です。

対人支援の場において、コンサルタントは無意識のうちにマジョリティ(権力を持つ側)に立ちやすく、クライエントとの間に見えない「権力勾配」が生じることがあります。

ケースを用いたロールプレイでは、環境への働きかけに必要な情報収集のスキルを実践していただきました。

3. 新たな課題:言葉が持つ「分断」の危うさ

今回の講座では、私自身にとって非常に大きな学びとなる出来事がありました。

ワークで扱ったケースのクライエントと近い境遇の方が受講者の中にいらして、「マイノリティ」という言葉で括られることへの抵抗感を率直に示してくださったのです。

このフィードバックを受け、以下のことを深く痛感しました。

• 「支援する側/される側」という分断を、無意識に作り出していなかったか。

• 私の言動の端々に、知らず知らずのうちに権力勾配を感じさせるものがなかったか。

もちろん、誰かを傷つける意図はありませんでした。しかし、意図の有無にかかわらず、相手がどう受け止めたかという事実に真摯に向き合う必要があります。

4. 向き合い続けるという覚悟

もし私自身がその方の立場であれば、同じように「なぜ勝手に型にはめられ、ラベルを貼られるのか」と感じたはずです。

これは、私が取り組んでいる「女性リーダー育成」における課題とも共通する構造です。「女性だから」という括りそのものが、時に当事者への心理的負荷や壁を生んでしまうことがあります。

「正しい知識」を伝えるだけでなく、その場の空気感や言葉選びが、誰かを排除したりラベルを貼ったりしていないか。

この問いは、講師として、そしてキャリアコンサルタントとして、ずっと向き合い続けなければならない一生の課題です。

ご参加いただいた皆様、そして大切な気づきをくださった受講者の方に、心より感謝申し上げます。今回の経験を糧に、より誠実な支援の形を模索してまいります。

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