マネジメント研修、その後フォローが大切
2019.06.10
ここ数か月、何回かにわたって、某大手人材系会社のマネージャーとの1対1面談を行っています。
マネジャー研修のアフタフォローとして実施されているもので、共通点は「マネジャー」職ということのみ。
部署や職種、年齢はさまざまです。
男性も女性も、30代から50代までいらっしゃいます。
お忙しい人たちなので、研修以外にこうしてわざわざ時間を作ることをどう思われているのか、こちらも少々心配していました。
しかしそれは杞憂でした。
みなさん、こちらが驚くほど、様々なことを語っていかれます。
今の仕事上の悩みはもちろんのこと、漠とした将来への不安であったり、定年後のキャリアについてであったり…
中には、「相談」というよりも、時間内はとにかく思いのたけを吐き出していく方もいらっしゃいました。
私はそれでも良いと思っています。
(もちろん、相手の方が満足したかが重要ですが)
思いのたけを吐き出すことで、頭の中で渦巻いていたものが外に出て、新しいスペースを作ることができているように思えたのです。
私の役割は、何かガイドを与える「権威者」ではなく、マネジャーの人が何かを考えるためのきっかけづくりをすることだと思っています。
テニスなら「壁打ち」の壁。
ボクシングなら「スパーリング」の相手・・・そんな感じです。
実は、私は「キャリアコンサルタント」でありながら、「キャリア」と名の付く研修は苦手でした。
研修はその形態上、複数人の人を対象に、一定時間の中でなにがしかのガイドラインを与えなくてはならないからです。
「キャリア」というのは、非常に個別性が高いもの。
だとしたら、講師として私が伝えたものをそのままに吸収することは、望ましいものでもないように思えたからです。
だから、研修の内容をベースに、さらに個別性に対応するものとして、今回のような個別面談の機会があるのは、とてもよいなあ…と感じています。
さらに、「研修は一つの報告に指針を与える」というのも、私の思い込みに過ぎないようにも思えてきました。
一人一人の違いを顕在化し、お互いの違いを見ることでさらに考えをブラッシュアップする場…
そんな場にできれば、個別性と「研修」という場の制約のジレンマに悩まなくてもよいかもしれませんね。