『プラダを着た悪魔2』を観て――私たちがこの物語に自分を重ねる理由
2026.05.06

大好きだった「プラダを着た悪魔」。原作も読み、DVDでも見返しました。そんな彼女たちに再会できる…ワクワクしながら、公開数日後に映画館に足を運びました。プラダのバッグ持って(笑)

スクリーンに映し出される彼女たちの20年後の姿を追いながら、私には、ある思いが湧いてきました。
なぜ、この物語はこれほどまでに私たちの心を捉えて離さないのか。
その秘密は、主要な登場人物4人それぞれに、今の自分を投影し、深い思い入れを抱かずにはいられないからではないでしょうか。
01. ミランダとアンディ:理想と現実の狭間で
前作では、アン・ハサウェイが演じるアンディの成長に自分を重ねていた私。20年という月日を経て、今作ではメリル・ストリープ演じるミランダの姿に深い共感を覚えました。
子供の成長を見守れなかった後悔を抱えながらも、「仕事が好きだ」と言い切るプロフェッショナリズム。デジタル化の波に自身の位置付けが揺らぐ中で、自分の「平穏」を後回しにして戦い続ける彼女の姿は、今の私自身の鏡のようにも見えました。(到達したレベルは全然及びませんが)
一方、長年、社会派ジャーナリストとして活動してきたいアンディ。ファッション誌「RUNWAY」のエディターとして復帰してからも、社会課題を問い続けます。それが落ちかけた評判を回復する方法と信じて。
しかし、「良心」に基づき価値ある記事を書いても、現代は「クリック数」という残酷な指標で評価されてしまう。正義と数字の板挟みになる彼女の葛藤もまた、現代を生きる私たちのリアルそのものです。
02. ナイジェル:裏切りさえも超越する「仕事愛」
今回、私が最も衝撃を受けたのがナイジェルの生き方でした。
前作のラスト、ミランダに約束を反故にされるという「裏切り」に近い扱いを受けた彼。それでも彼はミランダのもとで『ランウェイ』を支え続けていました。
それはなぜか。彼は誰よりもファッションを、そして自分の仕事を愛していたからです。
上司の振る舞いに左右されず、自分の仕事に一筋の信念と誇りを持つ。4人の中で最も強固なキャリア観を持っているのは、実は彼なのかもしれません。
03.エミリー:ネガティブなエネルギーを成功に変える力
そして、かつてのコミカルな印象を覆したのがエミリーです。
彼女はメディアから小売業へ転身し、結婚・離婚・出産を経験して、いまや有名ブランド幹部として成功を収めていました。しかし、その心にはミランダへの「恨み」が澱(おり)のように溜まっていました。
キャリアを歩む中で、思いがけない仕打ちに遭うことは誰にでもあります。
それを「仕事への情熱」で許し、受け入れられるのがナイジェルなら、エミリーは「見返してやる」というネガティブな思いさえもモチベーションに変換して這い上がってきた。
どちらが良い悪いではなく、どちらも必死に生きる私たちの姿です。
最後に、友人となったアンディから「あなた自身がアイコンよ」と言葉をかけられ、長年の呪縛から解き放たれたような彼女の表情を見たとき、私まで救われたような、前向きな気持ちになれました。
――それぞれのキャリア、それぞれの正解
次々に登場する素晴らしいファッションの数々に心を躍らせながらも、私の視線は彼女たちの「キャリアへの向き合い方」に釘付けでした。
• 信念を貫くナイジェル
• 負の感情をも力に変えるエミリー
• 時代と戦い続けるミランダ
• 良心と数字の間で悩むアンディ
誰の人生が正しいわけでもありません。ただ、今の自分に一番近い誰かを見つけ、その背中に勇気をもらえる。それこそが、この映画が時を超えて愛される本当の理由なのだと感じました。
皆さんは、どの生き方に一番心を寄せますか?
個人の力を組織力へ。ダイバーシティ推進・ミドル活性化は朝生容子へ