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「声なき声」を拾い上げるために。私が今、アドボケイト・リーダーシップを探求する理由

2026.03.15

発表資料の表紙

昨日は、「はたらく幸せ研究会」の発表会でした。

ここずっと私の心から離れないテーマがあります。それは、「アドボケイト(代弁・支持)」という言葉です。

今、この「アドボケイト」を自身の研究テーマとして掲げ、アンケート調査や分析を進めているのですが、正直言って私は今、大きな「迷い」の真っ只中にいます。  

■ 「アドボケイト」を実現するマネジメントとの出会い

この研究を始めたきっかけは、私の仕事の中で向き合ってきた、ある課題意識でした。

これまで3年間、お子さんのいない社員の方など、「制約があるメンバーをカバーする役割」を担う方々の幸福度について調査を続けてきました。そこで見えてきたのは、現場でどれほど切実な声が上がっていても、それが組織の改善に直接結びつくことは稀だという厳しい現実です。

しかし、そんな中で私の視界をパッと明るくしてくれるような、素晴らしいリーダーの方々との出会いがありました。

三井住友海上火災保険の丸山さん、そして大和リースの佐伯さんです。

お二人は、周囲をカバーする社員の貢献を単なる「善意」で終わらせず、彼らを正当に承認し、報いるための制度を自ら取り入れ、実践されていました。

その姿を目の当たりにしたとき、私はハッとさせられました。「あぁ、メンバーの行き場のない想いを受け止め、組織の力に変えていくために、その人の代わりに声を上げ、環境そのものを変えていく『代弁者(アドボケイト)』としての役割が、マネジメントに必要なのだ」と。

お二人との出会いこそが、私が「マネジメントの新しい形」に強く惹かれた原点です。

■ まだ、確かな答えはありません

「アドボケイト」とは一体何なのか。

辞書を引けば「代弁」や「支持」と出てきますが、実際の職場でリーダーがそれを行うのは、決して簡単なことではありません。

今回の調査(「はたらく幸せ研究会」でのアンケート)でも、上司の代弁行動は部下の幸せに大きなプラスの影響を与えるとわかりました。一方で、上司の方々からは「権限が足りない」「他部署との調整が難しい」「多忙で時間がない」といった、生々しい悲鳴のような声も聞こえてきました。  

上司自身も、実は組織の中で孤独を感じ、誰かに代弁してほしいと願っているのかもしれない。そんな現実を前に、私自身、この「アドボケイト」という言葉をどう定義し、どうすれば日本の組織に根付かせることができるのか、いまだに模索を続けています。

■ 文字にすることで見えてきた、私の「原点」

それでも、こうして調査結果をまとめ、スライドに落とし込み、今こうしてブログとして文字を綴ることで、ようやく自分の中で再確認できたことがあります。

それは、私がやりたいのは、単なる理論の構築ではなく、「本当に困っているけれど、自分では声に出せずに立ち止まっている人」を支援したいという、とてもシンプルな願いだったということです。

ハラスメントに苦しむ人、制度の狭間で報われない思いをしている人。そんな方々のセーフティネットとして上司が動いた事例を今回の調査で目にするたび、この研究の意義を強く感じました。  

■ 最後に:一緒に考えていただけませんか?

リーダーとして「代弁者」になることは、今の組織構造の中では「損な役回り」に見えるかもしれません。事実、会社からの期待はそれほど高くないというデータも出ています。  

けれど、誰かがその声を拾い上げなければ、組織は、困っている誰かを排除しかねません。

私のこの研究は、まだ始まったばかりの、不完全なものです。

でも、この記事を読んでくださっているあなたと一緒に、この「アドボケイト」という新しいリーダーのあり方について、ゆっくりと考えていけたら。そんなふうに願っています。

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