対立関係にある「社員」と「契約社員」をつなぐ研修で感じたこと
ここしばらく、研修講師の仕事に忙殺されておりました。
登壇回数がどうこうというより、研修の内容がなかなかハードでした。
ある大手金融会社のコールセンターの二階層を対象とした研修だったのですが、
会社自体が金融系グループ会社を最近、統合してつくられたもの。
コールセンターも、旧会社の寄せ集めのため、処遇や昇格などの制度をいままさに整備したばかり。
その新制度のもとで、新たに顧客最前線の業務の取りまとめ役を担うことになった「リーダー職」の方と、
リーダー達をとりまとめる社員(係長クラス)の方と、
この二つの層に向けて企画されたのが今回の研修。
それぞれの立場からすると、もう片方が「どうして?」と言いたくなる状態です。
リーダー職の人から見ると、係長は頼りない。
係長からすると、リーダーはその配下にいるメンバーと結託して反抗しているように思える。
相互不信に陥ってしまっています。
また、これまでのそれぞれが所属していた会社のカルチャーの違いが影響して、
なかなか会社として一つの方向を向く状態になりえません。
特に、お互いのコミュニケーションスタイルが、その不信を助長させてしまっている状態。
たとえば、リーダーは、きつい口調で係長に「○○を何とかしてくれ」と主張し、
係長は、そのきつい口調に、つい及び腰になってしまう。
現場業務は、長年その業務に従事しているリーダーの方が詳しかったりするので、そのことへの引け目も及び腰を助長します。
でも、一歩引いて眺めると、係長もリーダーも、「お客様に質の高いサービスを提供したい」という気持ちは共通なのですよね。
それをしっかりとふだんから話す機会があれば、相互不信もどこかで解消されるはずなのに、
コミュニケーションの態度から、誤解が生じてそれが大きくなって、不信の思いが固定化してしまっている。
でも実は、お互いに「なんでそんな態度をとるのか」と批判したくなる相手のコミュニケーションスタイルも、自分の言動が引き起こしている可能性も高いのです。
自分が批判的な態度を続ければ、相手はそれに反発して、大人の態度をとることを放棄してしまいやすくなります。
そんなことに気づいてもらうのが、日々の業務から離れて学ぶ「研修」の役割なのだろうと思い、登壇してきました。
相互理解のツールであるはずの「コミュニケーション」が、相互不信の原因となってしまっては本末転倒。
そうならないようにするには…とお伝えしたつもりです。
お互い歩み寄るきっかけになってほしいと願っています。
2016/02/10 | キャリアコンサルティング・講師の仕事, 研修講師 コミュニケーション
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