コクーン歌舞伎「四谷怪談」観てきました
「これは歌舞伎と呼べるのか?」とまで論じられた話題の舞台。
どんな舞台なのかと、どきどきしながら見てきました。
※ネタバレ含みます。
前半、休憩までの印象は「確かに斬新だけど、思ったよりびっくりはしないなあ…」というもの。
たとえば、江戸時代のしつらえの中に、スーツ姿の人物が登場しますが、それは「四谷怪談」という物語が現代にも通ずるものがあるということを暗示しているように感じました。
バイオリンやアコーディオンなどの洋楽器によるBGMも、コクーンシアターの雰囲気にはよく合っていたように思えます。
お岩さん、佐藤與茂七を演じた扇雀丈。
「小太りおじさん」(失礼!)の印象が強かったのですが、噂によるとダイエットされたとか。
全く違和感ありません!
お岩さんの切なさ、與茂七のいい男っぷりがあふれていました。
咀嚼しきれなかったのが後半。
お岩さんの夫、伊右衛門を恨む人々が出てきて、伊右衛門の話が中心と思いきや、お岩さんの妹、お袖をとりまく三角関係が急にフィーチャーされます。
その分、伊右衛門の話は落とし前付け切らなかった中途半端な印象でした。
それから、これは前半の話なのですが…
お岩さんの独白を、文字にして観客に読ませたのはなぜ?
時間短縮のためだったのでしょうか…。
文字を追うのに一生懸命になってしまい、舞台の上の演技を十分に楽しめません!
時間のためだとしたら、他の工夫がなかったのか…ちょっと残念でした。
裏切り裏切られ…のこの芝居。
その理不尽さは現代も変わらないというのを訴えたかったように思います。
(私は気持ちは悪いけれど)最後に伊右衛門についての落とし前をつけずに終わらせたのも、あえて「勧善懲悪」にしなかったのかもしれませんね。
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