Office Carlino個人の力を組織力へ。ダイバーシティ推進・ミドル活性化は朝生容子へ お問い合わせ 子どものいない人生ポータル

「心の生活習慣病」予防術8 ~幸せ発見法3「捨てる」ことで見えてきたもの~

2019.09.03

メルマガで連載している「心の生活習慣病」予防術。
断捨離が流行しましたが、御多分に漏れず私も人生の転機で「捨てる」ことをしました。
その経験について感じたことです。
——————————————————————–
※前号の内容はこちらから

挫折を味わい、そこで生じた心の中のわだかまりを吐き出したあと、
やっとちゃんと前を向くことができるようになりました。「この後
どうしようか?何を私はやりたいのだろう?」と考えるエネルギー
がわいてきたのです。

挫折の後に「キャリアカウンセリング」に関する資格は取りました。
でもそれは、他に何をしたらよいか混乱している中で、何かにすが
らずにはいられず取ったものでした。資格をとって、では誰にどん
なキャリアカウンセリングをしたいのかという点では、はなはだ
あいまいとしていたのです。

そんなときに友人から紹介されたのが「なにもないブログ」でした。
「ゆるりまいさん」という方が、ご実家の「汚屋敷(おやしき)」
を片付けて、「捨て変態」としてミニマルな家の中を実現していく
過程を記したブログです。
「私の家には何もない」という本やドラマにもなったので、ご存知
の方も多いでしょう。

その本に刺激を受けた私は、自宅の片づけを決意。まず着手したの
が本棚でした。

「本だけは買ってあげる」という親に育てられた私は、本=財産と
いう考えを持っていました。買った本は捨てられず、天井近くまで
ある本棚2架からはいっぱいになり、その前の床に本が積まれてい
る状態だったのです。

とはいえ、いきなり本を手放すにも抵抗があったので(弱い…)、
まずはデジタル化して、物理的な本の量を減らすことにしました。
スマホやタブレットを開けば、本の中身は読めると思うと、気軽に
手放す決意ができました。

そうこうするうちに、「手元には置いておかなくてよい」と思う
ものと、「どうしても手元に置いておきたい」ものとの自分なり
の基準が見えてきました。

ビジネスについてのノウハウを書いたものは手元になくてよい
もの、人の一生や小説などは手元に置いておきたいものだった
のです。

正直、これは意外でした。
当時、経営学を教える組織に勤めていたので、最新のビジネス
理論にキャッチアップするのは仕事上必要なことだと思っていま
した。でも、「ほしい本か否か?」と自分の気持ちを問うた時、
実はそれほど感情が動かなかったのが「ビジネス」という分野
でした。

「ああ、私はビジネスというものより、ビジネス環境の中にいる
一人の人間に関心があるのだ…」
区分した本の山を見て、そのことがよくわかりました。そのこと
で、組織に対するコンサルティングより、個人の方のキャリアを
支援する仕事に方向性を変えることを決めたのです。

「何をしたいか?」と問われても、その答えがすぐに思い浮かべ
られないと感じる方は、「何を捨てるか?」を問うてみると、
「捨てられないもの」が見えてくるかもしれません。

若い頃は、手に入れたものが増えていくのがうれしかったものです。
でもあまりにものを持ちすぎていると、何が大切なものだったの
かが見えなくなってしまいます。

「捨てる」(という言葉に抵抗ある日とは「選ぶ」)という行為
を通して、大切なものを確認できるという経験談でした。

(次号に続く)

←記事一覧に戻る

MENU

CLOSE