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意外にも社会派ドラマ?「ばけばけ」に「地方女子」問題を重ねる

2026.01.28

NHK朝ドラ「ばけばけ」、人気のようですが、私も毎朝、非常に興味深く見ています。ご存知のように、日本の怪談を世界に紹介したラフカディオ・ハーン氏(小泉八雲氏)とその妻おせつさんをモデルにしたドラマです。

同じくこの二人をモデルにしたドラマと言えば、1984年作の「日本の面影」というのがあり、子供心にそのしっとりとした風情は印象に残っています。

「日本の面影」は比較的史実に則ったストーリーだったと記憶していますが、「ばけばけ」はだいぶ様子が異なるようです。
せつの祖父が「イエ」の存続を頼んだことで、ハーン氏が日本に帰化したことや、せつの養家と実家の関係など、「イエ」や武士のプライドがかなりしっかりと描かれていた前作。
それと比べると、「ばけばけ」では、あまりそのあたりは描かれていません。(これからなのかもしれませんが)
また、放送期間を考えると、松江での生活の扱いが長いのも気になるところです。
ハーン氏の人生を考えると、熊本や東京での生活を描く必要があると思うのですが、3分の2を過ぎてもまだ松江。松江には1年しかいなかったのに…。

逆に、これでもか!というほど、丁寧に描かれるのは二人を取り巻く松江の人々です。
そう思うと、実はこの松江での人間関係がこのドラマの主テーマではないかと思えてきます。

中でも、おせつをモデルにしたおトキさんの女性の友人たいとの関係は、ここ数週間、かなりの時間を割いて描かれています。
おトキの幼なじみで、同じく没落節の出身で教師となったおサワ。
農家の出身で、家族のために遊郭に売られたおなみ。
そして、外国人男性との結婚で、貧しい環境から抜け出すことができたおトキ。

私はこの三人の女性が、まるで現代の女性、特に「地方女子」と重なって見えてしまうのです。
「地方女子」ではない私のかっな妄想なのですが…
女性社員を対象としたリーダー育成研修等で出会った人のことを思い出すのです。

職場から「女性リーダー」として推薦されているだけあり、「優秀」です。
ところが、役職にはついていない。
残念ながら、業務経験が配属された職場(主に営業拠点)に限定されていることもあり、管理職に求められる企画力や論理思考力が鍛える機会がなかった人が多いのです。
「優秀」と上司から評価されたポイントは、主には「気が利く」「面倒見がよい」という点です。

では、企画力を養うために、企画業務がある本社等の部署に異動させてみてはどうか?と思うのですが、多くの場合、彼女たちは異動を避けます。
家族の面倒をみないわけにはいかないといのがその理由です。
(最近は転居を伴って移動する人も増えてきましたが、まだまだ例外的な存在です)
対して、男性は転居を伴う異動によって、幅広い業務経験を積み、人脈も培っていきます。

「ばけばけ」でも、錦織や、おときちゃんの元夫、銀二郎ら男性達は東京に出て立身出世を目指す一方、女性達は松江に残るという構図が描かれています。
錦織は家族がいたようですが、彼が東京で学んでいる間、妻がその面倒を見ていたと思われます。
銀二郎が東京に出奔した後、おときちゃんを一緒に東京で暮らそうと誘いますが、彼女はそれを断ります。
松江に残る親や祖父を見捨てるわけにはいかないから。

ドラマの女性たちが苦しんだ「貧困」は現代では大きく改善されたものの、家族のケアに女性が縛られる構図は残っているように思えます。

そんな境遇から抜け出す方法として、ドラマに出てきたのが「女子(おなご)が生きていくには身を売るか、男と一緒になるしかない」という言葉です。
実際に、おトキは、収入増のために働き手を増やすべく婿を取ります。
その結婚は破綻したものの、結局はヘルン(ハーンがモデル)との再婚で、長屋暮らしから抜け出し、川向うの武家屋敷に居を移します。
支店に着任した都会のエリートと結婚して、地元のしがらみから抜け出す女性とかぶるといったら、うがちすぎでしょうか。

なじみ客に身請けされて幸せをつかんだおなみさんは、さながら地元で恋愛結婚をした女性でしょうか。

そして、おさわちゃん。
男性の力を借りるのを良しとせず、自分の力で今の境遇から抜け出そうとする頑張り屋です。
実際に、代用ではあるものの教員として採用されたのだから、優秀なのは間違いないでしょう。
でも、病気がちな母親を抱えているため、錦織たちのように一発逆転の飛躍を目指して東京に出ることなどは叶わない。
(考えすぎかもしれませんが、「代用」であるのも、「女性」だからではないかと疑いたくなります。)
現代に置き換えると、力はあるのに、制約が多く機会に恵まれないまま、非正規雇用で働き続けている女性に見えます。

そんなおさわちゃんにも、「王子様」(?)となりそうな人が現れました。
また東京で学んで一発逆転したはずの錦織氏も、秘密があることがわかってきました。
はてさて、3月までどのように展開するのか…ますます楽しみです。
願わくば、おさわちゃんにはついては、パートナーを得るという幸せと共に、仕事を通じての充実感や達成感を味う姿を描いてほしいなあと希望しております。

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