出産後、仕事環境ががらりと変わったフリーアナウンサー女性のご相談
2016.05.13
Fさんは、アラフォー世代のフリーアナウンサー。
大学卒業後、地方の局アナを経て、テレビ番組のキャスターやレポーターとして活躍されていました。
ところが、出産後、お子さんの世話にまだまだ手がかかることもあり、なかなかこれまでのように仕事に専念できない状況が続いているということで、相談にいらっしゃいました。
ご夫君がお忙しいこともあって、どうしても子育てによる時間の制約があり、それが思うように働けない現状への焦りを増幅する現状とのことでした。
学生時代は、アナウンサーになるという目標のために必死で頑張り続けてきました。
その後も、キャリアアップのために努力を重ねてきたFさん。
そしてその努力が実を結び、大型番組のメインキャスターも務めるまでに。
そんな彼女の様子は、視聴者の方にも伝わるのでしょう。
「頑張っている姿に励まされます」と、ある引きこもりの方が手紙を送ってこられたこともあったそうです。
彼女をテレビで見た視聴者が、自分も頑張ろうと思ってくれることが、何よりのやりがいだったそうです。
それだけに、いま子育てで思うように働けないことに、焦燥感を抱き相談にいらっしゃいました。
また映像の世界では、キャスターは年齢が若い人が機会に恵まれがちであることも現実。
子育てがひと段落しても、もといた世界で以前のように働くのは難しい。
そんな現実のなかで、今後自分はどこに向かって進んでいったらよいのか?
目的を見失ってしまった様子です。
組織に勤めていたら、復帰したときに与えられる業務があり、まずはそれを全うすることが目的となるでしょう。
でもフリーランスは、目的自体を自分で見つけ設定しなくてはならないので、その分悩みも深くなりがちです。
また、これまでキャリアアップに頑張ってきた人ほど、目的が見つからない状態に焦りを感じる傾向があります。前に進んでいない状態を「停滞」とネガティブにも捉えてしまいがち。
でも実はそんな「停滞期」は、人生の転機には必要な時期なのです。
以前にこのブログで紹介した、世界的に読まれているキャリア開発の本「トランジション」(ブリッジズ著)によると、キャリアの転機には、必ず「ニュートラルゾーン」が存在し、その時期はそれなりの長さを伴うものとのこと。
著者のブリッジズ氏は、その時期を「日常から離れて過ごす」ことを勧めています。
今まで慣れ親しんだ環境から離れることで、新たな視点で自分を見つめ直せるからです。
そういった観点で考えると、「子育ての時期」は、それまでの仕事にがんばってきた環境からすると、「非日常」といえるかもしれません。(ある方は「育休は海外に留学したみたい」とおっしゃっていました(^-^))
まず、いまは「停滞」ではなくて、次のステップに進めた目に必要な「ニュートラル」な段階にいることを理解してください。
「第一段階 何かが終わる」際には、過去への決別による強烈な痛みが伴います。
長年、目指してきた「ありたい姿」を実現したのに、その自分と別れなくてはならない…
時には、昔の自分と比べられ「昔はよかったのにね、いまは…」などと心無い言葉をかけられることもあるかもしれません。
「ニュートラル」な時期は、その痛みを癒し、自らの方向性を見出し、そして第3段階に進むためにエネルギーを養うための期間です。
いま感じていることをしっかりキャッチしていただきたいと思います。
その状況から目を背けず、向き合っていけば、きっと次のステップは開けていきます。
▼Fさんからのご感想
1.なぜ、朝生の個別カウンセリングを受けようと思いましたか?
ホームページを拝見し、キャリアを積まれている朝生さんに女性の視点でのカンウンセリングを受けたいと思いました。
2.個別カウンセリングを受ける前の問題点は?
子育てと仕事のこと、今後のキャリアの積み方、方向性など、自分の中でモヤモヤしたものがありました。
3.個別カウンセリングを受けて解決できた点(気がついた点)は?
色々と質問を投げ掛けてもらうことで、自分の求めているものが見えてきたり、考えを整理できたりしました。
4.この個別カウンセリングをどんな方に紹介したいと思われますか?
自分と同じように、子育てと仕事に関して悩んでいる方。
(ご本人のご了承を得て掲載しています)