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【掲載報告&反論してみる】 組織を劣化させる「必要悪」~東京医科大入試問題について考える

2018.09.11

東京医科大の入試で、女子が不利益を被っていた件について専門家メディア「シェアーズカフェ・オンライン」に寄稿しました。

組織を劣化させる「必要悪」~東京医科大入試問題について考える

ハフィントンポスト日本版や、ヤフーニュースにも配信されています。
ハフィントンポスト
ヤフーニュース

特にヤフーニュースには、たくさんのコメントをいただきました。
いつもは「本当日本文読んでコメントしているのかな?」と思うものが多いので、無視しているのですが、今回はそうしたコメントに反論(?)してみようと思います。

一番、コメントで多かったのは「医療現場の実態を把握していないから浅い」という批判です。

はい、残念ながら病院などで働いたことはないので実態の詳細は存じ上げません。だから「組織」、特に企業を意識して書きました。

大学病院に勤務する女医の友人から、実際のところ、女性医師が多くなると配置に苦労している悩みは聞いています。しかし、大変残念なことに、私自身はその具体的な解決策を持ち合わせていません。

つまり、ここでは、すべての「組織」に所属する人に、自組織で「必要悪」という言葉が通用していないか?ということを考えてもらいたかったのです。そうした意味で、今回の不正は決して東京医科大だけの問題ではないと思っています。

これは書こうかどうか迷って、結局触れなかったのですが、企業社会においての「女性活躍」も、男女雇用機会均等法施行以来、当初期待したほど進まなかったのは、この「必要悪」が、大きな阻害要因になってきた気がしています。

「女性も男性と同じように企業の中で活躍する社会を、というのは建前ではわかる。でも、女性に夜遅くまで働くのは無理だよね。でもそうした働き方をしないと業績あがらないから、必要悪で男性を雇っているんだ」

「うちの部署は経営陣に近く、緊急性も時には求められるんだ。だから、子どもの病気などで緊急対応できない女性は務まらないんだよね。いや、男女平等は大切だけど、うちの部署で男性か未婚女性だけ取るというのは必要悪でしょ」

今回の東京医科大の入試にまつわるやり取りに、企業の中でのそんな言葉が重なる思いがしてきました。あまりにその思いが強すぎて冷静になれず、すぐには原稿を駆けなかったほどです。

医師不足に悩む現場を糾弾するつもりはありません。現状が間違ているから、女性医師を増やせ!と私が叫ぶのも、あまりに無責任でしょう。

ただ、本音と建前のギャップに向き合わないと、問題は先送りされたまま、結局自分の首を絞めることになることは確かです。私自身は、問題に向き合う苦しさに精一杯向き合う人間でありたいと思いますし、人がそうするなら、できるかぎりそれを支える存在でありたいと思っています。

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