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アンコンシャス・バイアスとハラスメント(ベンチャーやオーナー企業)

2022.12.16

いよいよ1年の終わりを感じる季節を迎えています。札幌の雪の降り始めは例年より遅かったものの、降り始めたら一気につもり、白いモノトーンの世界に本格的な冬を感じます。

今年1年を振り返ると「アンコンシャスバイアス(=アンコン)」をテーマにした研修が多かったと感じます。

このテーマに取り組む企業が増えているのを去年から感じていましたが、特に今年はそれが本格化した感触があります。

私自身が数年前から力を入れて学んできたこともあり、このテーマについて企業の関心が高まり、登壇の機会をいただけるのは大変ありがたいことです。が、振り返ると同じ「アンコン」でも、課題意識の変化や広がりを感じます。

背景に、ハラスメント対策があるのもここ最近の特徴です。

これまでは、ダイバーシティ&インクルージョンの文脈で取り上げられることが多いですが、より具体的にハラスメントへの問題意識があり、その対策の一環でアンコンシャス・バイアスに注目されているようです。

ハラスメントは行為の問題を指摘することも大切ですが、その背景にある意識を変えないと、同じことが繰り返されかねません。それが難しいのは、その意識が本人は「あたりまえ」過ぎて、歪みや偏りに気づき居にくいからです。「無意識(アンコンシャス」性に焦点を当てることで、当たり前をあたりまえでなくすることができます。

去年後半~今年登壇した例の中から、特に、組織構成員の多様性はあり、一見風通しの良いベンチャー企業についてご紹介します。

(1)外資系ベンチャーの日本法人。すでにダイバーシティについては先進的に取り組みをしているとのことだった。が、社員の本音を聞くと、居心地の悪さを訴える人も少なくない。
先進的な取り組み自体が同調i圧力になり、違和感や不満を言えなくしてしまっていた。

全社員が研修に参加していたので、講師がファシリテーションする中で徐々に本音を引き出し、なぜ日常の中で言えない雰囲気になっていたかも話し合ってもらった。

(2)オーナーの強力なリーダーシップで急激に成長したベンチャー企業。オーナーから二代目トップに変わったが、ハラスメントを訴える声が目立ってきた。

ベンチャー企業の成長は、トップ(ほとんどの場合、オーナー)のキャラクターで成長をけん引します。そのため、異を唱えるもの、異質なものはその過程で排除、抑圧されてきた。

二代目になり、その雰囲気が緩んだことで、これまでの歪みが表れてきた。

管理職から役員参加の研修の中で、自分たちがどんなバイアスを持っていたか話し合ってもらい、さらに部下や職場への影響を考えてもらいました。

いずれの事例でも興味深いのは、自分たちから、己の持つバイアスやその影響について口火を切られていたことです。

アンコンシャス・バイアスは、気づいたとしてもそれを受け入れるのは抵抗も大きいことがしばしばあります。

そういった意味で、本質的には風通しの良い組織でいらっしゃったのだなあと感じました。

 

 

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