子供世代との交流を持つ
2014.06.16
※Facebookページ「子供のいない人生を考える」記事再掲です。
先週、キャリア教育の先生として品川区の小学校を訪問し、授業をしてきました。
所属するNPO団体GRA教育チームの活動の一環としてです。
私は正直、子供が苦手でした。「自分の子供は別よ」と言われましたが、残念ながらそれを検証する機会は得られませんでした(^^;)
そんな私でも、大人とばかりと接していると、エネルギーが枯渇していくような、このままでいいのか、何とも言えない気分に陥ることがあります。子孫を残す生物としての本能のやり場に困るとでも言いましょうか…。
もし私と同じような感覚を持っている方がいたら、お勧めしたいのは子供と接するボランティア活動に参加することです。
私は、GRAという東日本大震災の被災地である宮城県山元町を拠点とした活動に参加し、現地の中学生たちのキャリア教育に携わっています。
GRAはユニークな団体で、「10年で100社、10,000人の雇用を創出すること」をビジョンに掲げ、もともと山元町で盛んだったイチゴ農業の復活と新たな創業を軸に、第6次産業の展開や将来を担う子供たちのキャリア教育といった事業を行っています。
▼NPO法人GRA 教育事業
http://www.gra-npo.jp/project/education/
教育事業では、中学生たちに、私たち社会人講師が自分の仕事について語ることで、世の中にある仕事のイメージを広げてもらうこと、そのうえで将来の夢を明確にしていくことに取り組んでいます。仕事といえば農業や地元の工場、あるいは教師と狭い範囲でしか知らなかったところに、震災による鉄道の分断や人口減など、厳しい現実が加わりました。しかし、未知の仕事の世界に触れた時の子供たちの生き生きとした様子は、そうした厳しい現実を乗り越えるエネルギーとなるだろうと感じさせてくれます。
最近では、山元町に限らず活動の場を広げ、社会人と子供の交流を活発にしています。(写真は、品川区の小学校での活動風景)
被災地に限らず、厳しい現実のしわ寄せを受けて、夢を諦めなければいけない子供が増えています。
そんな子供の支援をしているのがNPO法人ブリッジフォースマイル主催の「カナエール」というプロジェクトです。
これは児童養護施設出身者の大学・専門学校進学のための奨学金プログラムで、学費支援と意欲の両面からサポートプログラムです。
なかでも、奨学金給付の条件として、進学や将来への思いを語る「スピーチコンテスト」出場が義務付けられており、大勢の前でスピーチという、大きなチャレンジを乗り越え、自己肯定感、進学と夢への意欲を高め、卒業までモチベーションを持ち続けてもらえるよう考えられています。
そして、この奨学生に本番に向けて、120日間、大人のボランティアがチームになり、サポート。コンテスト終了後も卒業まで、応援者として専用SNSや年に数回食事会などを設け、相談に乗ったり励まし合える関係を築いています。
私の知人のTさんは、映像ボランティアスタッフとしてカナエールに参加されています。舞台演出に携わっていた経験を生かし、映像PRやコンテストのプロモーション映像作成、イベントの記録撮影スタッフとして活躍されています。
Tさんもお子さんはいませんが、目の前で自信をつけ見る見る成長していく若者たちに、若々しいエネルギーに接する喜び、人間の持つ可能性を感じ、応援せずにはいられないと話していました。
▼カナエール:http://www.canayell.jp/
(カナエールの奨学金対象を決めるスピーチコンテストは、今年は6/29の東京会場を皮切りに、7/6の横浜、福岡と開催されます)
子供世代の支援をするというと、養子縁組やら里親やら、本格的なものもありますが、なかなかハードルが高いのが現実です。もし子供世代を支援したという気持ちがおありなら、こうした活動のボランティアとして、まずは参加されるてみるのはいかがでしょうか?