「心の生活習慣病」予防術5 幸せは、二つの要素でできている
2019.03.03
メルマガvol66発行しました。
「心の習慣病予防策」のvol5を転載します。
今回は「幸せ」の在り方について考えました。
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※前号の内容はこちらから
http://treasure-ex.jp/bkn19465/carlino/66
降格処分を受けた時、そしてその後の不妊治療でも結果が思
わしくなかった時、私は自分が「幸せ」から見放されたよう
に感じました。
「不幸」とまではいいませんが、自分が信じて努力してきた
ことが実を結ばないことに、理不尽だという一種、怒りに似
た感情を抱いたのです。
ここで、ちょっと「幸福」ということについて考えてみたい
と思います。
「幸せ」は、他人と比較できる要素(「地位財」)と、比較
できない要素(「非地位財」)とに分ける経済学の考え方が
あります。
「地位財」の例としてあげられるのが、収入や役職などの社
会的地位、車や家、ブランド品などの物的財です。「非地位
財」は、健康、自由、愛情、社会への帰属意識などがあげら
れます。
同じ出来事でも、捉え方によっては、どちらにも受け取るこ
とができます。たとえば「結婚」における地位財としての価
値は、「自慢できる配偶者」「家庭を持っているという社会
的ステータス」といったものがあげられます。一方で、「パ
ートナーとの絆」「家族への愛情」という意味では非地位財
になります。
もともと私は、あまり「地位財」を求めるタイプではありま
せんでした。大学の進学でも、当時はやっていたシルクロー
ドに関係した歴史を学びたかったので、関連の学科や教授が
いる大学を受験しました。結果として、有名大学と言われ
る学校に入学しましたが…。
会社に入ってからも、どちらかというと「どんな仕事がした
いか」を求めていました。もちろん昇格すればうれしいです
が…。今でも覚えているのは、入社3~4年目ごろに行われた
キャリア志向を確認する検査結果です。管理職志向か専門職
志向かを見るものでしたが、極端に専門職志向だったのです。
ところが、社会人生活の年月を重ねるにつれ、徐々に「地位
財」の比重が高まっていったようです。同僚が自分より早く
役職に就くと、焦りを覚えるようになりました。
異動のサイクルが短く、キャリアパスがあまり明確でないベ
ンチャー企業に転職したことも影響していたかもしれません。
先のキャリアが見えず、役職に就くことだけが、自分の仕事
を評価してもらったように受け取るようになっていきました。
子どもを持つことについても、もしかすると私にとっては「ヒ
トと同じものを持ちたい」という地位財的要素が大きかった
かもしれないです。
「しれないです」と曖昧な書き方をしたのは、そうはいって
も幼くか弱いものを庇護し育てるときの何とも言えない、ほ
わっとした愛情を味わうことができなかったのは、やはり残
念という気持ちもあるからです。
とはいえ、昔から小動物やぬいぐるみなど、小さくかわいら
しいものには、人と比べて関心の薄かった自分は、子どもを
持ちたいという気持ちは、それほど強いものではなかったよ
うに思うのです。
皆さんはいま、地位財、非地位財、どちらの幸せを感じて
いますか?
(次号に続く)