映画「ウィンストン・チャーチル」で意思決定について考える
2018.10.14
遅ればせながら、映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を観たのですが、「意思決定」というものについて考えさせられました。
皆さんは、どんな選択をしたら正解なのか、迷うことはありませんか?
第二次世界大戦の初期に英国首相を務めたウィンストン・チャーチルも、その決断で迷いに迷います。しかも彼の決断は、国民や国王の命にかかわっているのです。
ヒトラー率いるドイツ軍の勢いに英国がどのように対応したかを描いたこの映画、一見、「宥和政策」を唱える政敵に対して、チャーチルの決断の正しさを描いているように見えます。
しかし、チャーチルと政敵との考えの優劣を問うのがこの映画の主題ではなく、意思決定とそれに伴う行動の在り方がテーマであるように思います。
ヨーロッパを席巻するヒトラーに対し、決然と徹底抗戦を主張するチャーチル。国民も野党もそれを支持します。
しかし、それによって多くの兵士の命が危険にさらされ、銃後の市民の命も、そして国王の命でさえ、危険にさらすことになりかねません。
政敵はその危険性を指摘し、ヒトラーとの和平交渉を主張してきます。現代では、ヒトラーと戦い抜いたチャーチルの判断を「正しい」とする見方がほとんどですが、それは結果論。
当時、どちらが正しいかなんて、誰にもわからなかったはずです。
時のトップが「徹底抗戦」を主張したことで、国土と国民を悲惨な目に合うことになってしまった国の人間としては、ヒトラーの主張が決して「正しい」ものには思えませんでした。
ヒトラーの主張が「正しい」かを描いたのではありません。
一度、決断をしたら、その選択が「正しい」結果になるように、ベストを尽くさないとならない…そのことを描いているのです。
100%完璧な選択などはなく、必ずデメリットはあります。それを最小限にすることにも必要です。
正しい答えは「ある」のではなく、「作り上げていく」ものなのです。