ロジカルシンキングとアンガーマネジメントの意外な共通点
2016.06.04
片や頭を使うもの、片や感情を扱うもの。
一見、相反するものであるようですが、私には知れば知るほど、非常に共通点が多いように思えます。
アンガーマネジメントの技法の一つに、「分かれ道」というものがあります。
自分の思い通りにならないようなイライラする事態への対処法なのですが、そのイライラする事態そのものを「自分で変えられる×重要」「自分で変えられない×重要」「自分で変えられる×重要ではない」「自分で変えられない×重要ではない」と、4種類に分けて対応方法を考えようというものです。
そして「自分で変えられる×重要」の領域のことに自分の力を集中させましょう、というのが、この分類の主眼。
こうして出来事を”分類する”ということ自体が、非常にロジカルなアプローチではあります。
で、私が特に「ロジカルシンキング」と親和性が高いと思ったのは、どちらも「結局、目的は何よ」を問うていることです。
ロジカルシンキングでは現状分析や解決策立案の方法をお伝えしますが、私が一番大事だと思うのは、「なんのためにそれをしているのか?」ということ。
それを明確にして関係者と共有しておかないと、いくら解決策ができても、あとから目的とずれているからNG…などということになりかねません。
(いたた。自分で何度も痛い目に…(^-^;)
アンガーマネジメントも「なぜアンガーマネジメントを使うのか」ということが、非常に重要だなと思っています。
たとえば、上述の4分類では、「自分で変えられる状況か」「重要か」の二軸で事態を分類していますが、どちらの軸も主観的な分類軸です。
主観的なだけに、何が重要なのか、判断に迷われる方もいらっしゃいます。
その時に、「何を目的にしているのか?」を考えて、重要かどうか判断いただくようにお伝えしています。
たとえば、部下が朝に弱いことにイライラする。
時間にルーズなことが、重要かどうか?
裁量性の職場であれば、成果が高ければ、朝弱いことはあまり重要ではないと判断されるかもしれません。
コールセンターのような、朝から顧客対応しなくてはらない職場であれば、時間を守ることは非常に重要でしょう。
かつ、その人の「朝が弱い」行動によって、周囲がモチベーションダウンしているのであれば、重要度はもっと高まります。
部下が朝弱いことを改善することで、
あなたのイライラを解消したいのか?
それとも他のメンバーのモチベーションアップまで図りたいのか?
目的によって、重要度は異なります。
こうして考えると、アンガーマネジメントもロジカルシンキングも、どちらも自分の置かれた状況について、感情も含めて客観視して、全体を把握するという点で、共通なのですね。
感情と論理、どちらも人間の持つものであり、うまく相乗効果を発揮できるような方法をお伝えしていきたいなと思った次第です。