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【メルマガ連載】心の生活習慣病予防術

2018.12.30

メルマガvol63を年末に発行しました。
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(文中の日付、号数が前号のままであったこと、大変失礼しました)


メルマガの前号でミドルエイジにかかりやすい「心の習慣病」予防術をお知らせすると予告していました。本号で、その実質的第1号となる連載を開始しています。

生活習慣病は、おもに中年期に表れる身体的症状です。「病気」とまではいえないけれど、体の不調につながります。

私は、心も体と同じように、長年の生活習慣からくる「不調」があると思っています。心理学の世界では「ミドルエイジ・クライシス(中年の危機)」などと呼ばれるのは、一種の心の生活習慣病といえるのではないでしょうか。

そう思ったのは、私自身の経験からです。今思い起こすと、かなり重い「心の生活習慣病」にかかっていたと思います。
同じように、心がもやもやするミドルエイジの皆さんの参考にしていただきたく、私自身の経験に根差したお話を綴ってまいります。
どうぞ、お付き合いください。

今の会社への違和感

「来年度はマネジャーを降りてもらう」

ある教育系ベンチャー企業に勤務して8年ほど経ったときのことでした。転職以後、いえ社会人になって以後、ずっと昇格し続けてきた私は耳を疑いました。

降格の直接の理由は、異動を申し出たことでした。当時、私は営業として勤務しつつ不妊治療に通っていました。しかしスケジュールを自分で管理しづらく、なかなか病院に行けないことが続いていました。そこで内勤への異動を申し出たのですが、そのことは「経営の自由を阻害する」と言われ、通院が前提であれば異動を認めるが、マネジャー職はできないはずだと降格されたのでした。

私はこのことを理不尽だと思い、異動後もずっと怒りを抱いてきました。年に一度行われる上司との評価面談でも一切自分の希望は出しませんでした。「希望を出しても『経営の自由度が損なわれる』とまで言われるなら出しても無駄だ」。そんな気持ちで、面談を実質的にボイコットで会社への抗議をしていたのです。

しかしボイコットしながら、心の中では「この仕事をしたのだから会社は私を評価すべきだ」「評価しないのは会社の評価基準が間違っているからだ」と、自分を認めてほしい気持ちでいっぱいだったのです。内勤になり1~2年後には不妊治療をあきらめたこともあり、元のマネジャーに戻らなければ気が済まないと思っていました。

今から考えると、私自身が自分への評価を歪めていたように思います。まるで会社からの評価が、私という人間の価値を決めると思い込んでいました。降格し、かつ、それを引き換えに取り組んだ不妊治療が失敗。自分には価値がない…そんな風に思い込んでいました。会社で昇格するか、あるいは母親になるか。そのどちらかの評価基準しか持てていなかったのです。それは長年の会社員生活で視野狭窄に陥っていたのでした。

(次に続く)

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