子どものいない私が「育休復帰者研修」に登壇
2023.04.14
子どもはおらず、育休経験のない私が「育休復帰者研修」に登壇しました。
受講者の背中を押した実感を持て、このような機会をいただけたことに心から感謝しています。
「育休復帰者を対象とした研修をお願いしたい」
そんな以来がホームページ経由で届いたのは昨年の秋。
最初に読んだとき、正直、何かの間違いでは?と思いました。
私、子どもいないんですけど…?
ご依頼いただいたのは、グローバル展開もしている有名企業。
念のため、間違いではないかと確認したのですが、間違いではないようです。
今回、対象となるのは総合職。
これまでも育休復帰研修を行ってきたけれど、両立方法もキャリアデザインもすでに行った。今年は、さらに「総合職」としてのキャリアについて考える内容にしたいのだ、とのこと。
なるほど。
確かに私、リーダーシップ研修なども登壇しますし、自分自身もささやかながらマネジメントの経験もあります。
それでも、「本当に私でいいの?」という思いはぬぐい切れぬまま、お引き受けすることにしました。
第一線で働く女性の先輩として、彼女たちに何を伝えたいだろうか?そんな観点で頭を絞りました。
そこで思ったのは、「マジョリティだけどマイノリティの両方を併せ持つ人である」ということ。
育児との両立という点では、今の日本社会ではマイノリティとして働きづらさを感じていることが多々あるはず。
一方で、「総合職」ということを踏まえると、高度な教育も受けているし現在から将来にわたって組織の中でリーダーシップを発揮する機会も多い。これはマジョリティ性といえるでしょう。
そう考えていくと、彼女たちに果たしてもらいたい役割は「マイノリティのことを身をもって理解し、その人たちの働きやすさに貢献できるリーダー」ではないかと思い至ったのです。
そして、その会社は、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を大々的に掲げ、目指すリーダーは、その推進ができる人とうたっています。だとしたら、マイノリティ・マジョリティの両面を持つ彼女たちこそが、そのポテンシャルを持っているといえるのではないか…そう感じました。
当日、リーダーシップの開設をしながら、私のメッセージをお伝えしました。
オンラインということもあり、どこまで通じたのか心もとないところでしたが、後半の話し合いの中で
「おかしいと思ったことは伝えないといけないよね」
「〇〇の制度がこうなっているのはなんとかしないと。ちょっと上司にこのことはおかしいのではと言ってみる」
といった発言を聞いて、私のメッセージを受け取ってくれたのだと感じることができました。
事後のアンケートで研修や講師についてのコメントいただいたので、抜粋します。
「リーダー」としての自覚や意欲を高めていただけたコメントが多々あって、うれしいです。
・マイナス部分にばかり目が向きがちだが、むしろ(会社の中ではまだまだ)マイノリティーとして柔軟な視点に立ち、 自分らしいマネジメントを目指そうという志を持てた。
・今後リーダーに成長していくにあたり、自分はどのような活かし方をしたらよいか、社会構造やニーズの変化から 構造的に説明頂き、納得感があった。
・リーダーとしての働き方を考える上でヒントとなることがたくさん知れました。
子どもの有無の違いはあっても、お互いのマイノリティさは地続き。共感し橋梁することができます。
「子どもがいないのに…」というのは、私の思い込みだったのだということに気づかされました。