職場の子どものいない人実態調査を記者発表しました
2020.09.17
昨年末から今年初めに実施した「子どもがいないことを理由に職場で不快な経験をされた男性&女性へのアンケート調査」。
9月16日に、企業向けの提言としてまとめたものを厚労省記者会(東京霞が関)にて発表しました。
この日にしたのは、「World Childless Week」(9月14日~20日)だったから。そして偶然にもこの週に、私の東京出張があったからです。
ともに「ダイバーシティ&インクルージョン研究会」を立ち上げた小酒部さやかさん(NPO法人 マタハラNet 創設者)が、プレゼンした内容を記事にまとめてくれました。
▼小酒部さやかさんの記事(ヤフーニュース)
今回の主張の詳細、提言が掲載されています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/osakabesayaka/20200916-00198612/
プレゼン資料の冒頭にお伝えしたのは以下の通りです。
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「一億総活躍社会」「女性活躍推進」「ダイバーシティ&インクルージョン」の掛け声のもと、子どもを持つ人が仕事と両立できるようになってきたことは、非常に素晴らしいことだと思います。
しかし、それが「他の誰か」へのしわ寄せで成り立っているとしたら、それは本当の意味で「一億総活躍社会」とは言えません。その「誰か」は、ここでは組織の中の「子どものいない人」を指します。
組織がある方向に進もうとするとき、その余波を受ける人の存在は、「ないことにされる」、あるいは「(その人が不利益を我慢しなくてはならないことは)しかたないとされる」がちです。
さらに、社会規範や先入観によるマイナスイメージがある場合、当事者の思いを表出されること自体が憚られるようになります。
本調査結果で企業内でのこういった格差の実態をお伝えすることで、真にインクルーシブな組織づくりの一助となれば幸いです。
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さらに今回は、企業向け提言として、以下の3点をまとめました。
1.「パワーハラスメント対策」から「ワークプレイスハラスメント」対策へ
同僚ら、力の強弱関係にない相手からのモラルハラスメントは、現在の日本の法律では対応できない。欧米と同様に「ワークプレイスメント・ハラスメント(職場でのいやがらせ)」として対応してください。
2.安心して相談できる風土、仕組み作りを
不快、不利益なことがあってもそれを相談できない、誰にも言えない根本的な原因は、それぞれが持つ「無意識の偏見」です。マイクロアグレッションや、相談者への二次ハラスメントが起こらないための啓蒙・教育活動や防止施策に取り組んでください。
3.「ケア」偏重の制度を「フェア」の観点で見直す
女性については、両立支援・就業継続のための「ケア」施策充実の陰で後回しにされてきた男女格差解消の「フェア」施策の整備に、早急に取り組んでください。(ケア施策:法廷を上回る育児休業、ベビーシッター代給付、育児期の在宅勤務、学校行事参加のための有給施策)(フェア施策:長時間労働の是正、女性管理職登用、女性採用作拡大)
各メディアでも取り上げていただきました。
どうもありがとうございます。