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ダイバーシティ推進のジレンマ2~女性活躍推進は女性のためだけなのか?

2018.07.02

最近、登壇機会の多い「ダイバーシティ研修」。
私は特に「女性活躍推進の講師」とうたっているわけではないですが、やはり私自身が女性ということもあり、また国が重点を置いている背景もあり、ダイバーシティの中でも「ジェンダー」にフォーカスしたご依頼が多いです。

最近の特徴は、管理者研修の一貫で「ダイバーシティ」が盛り込まれていること。
昔は、「考課方法」や「労務規定」などが管理者としてのリテラシーだったものが、そこにダイバーシティも追加された印象です。

管理職にも女性のメンバーが増えてきたとはいえ、まだまだ男性が大半を占めるケースが多いのが現実です。
おのずと、女性の意識やキャリアの特徴などをお伝えすることになります。
同時に、男性側が持ちやすい、女性へのバイアスを解きほぐします。

たとえば、それは「女性にはたいへんだろうから」「子どもがいるとお母さんには負担をかけられないから」といったものです。
「配慮」はありがたいけれど、それが思い込みになっていないかを事例を通じてチェックします。

「女性全体の傾向はあるが、それがあなたの目の前の女性個人にあてはまるかは、確認する必要がある」
このことを理解していただきたいのです。

さらに、もう一つ、「ダイバーシティ」でジェンダーを取り上げる際、私がぜひ受講者の皆さんに考えていただきたいことがあります。

それは、「ダイバーシティ」は、男性管理職にとって、女性や誰かのものではなく「自分のもの」であるということ。

女性へのバイアスをひっくり返していくと、それは男性自身へのバイアスにつながります。

「女性は、危険な土地に出張に行かせられない → 男はそんなもの気にしないで行くべきだ」
「子どもの学校のイベントにはお母さんが行くべき → 男性はがまんすべきだ」

そして、それは男性管理職にとって、自分自身を縛り付ける「呪い」になりがちだと思うのです。

「なんとしても部下を自分に従わさなければ沽券にかかわる」
「会社の命令で単身赴任したら、寂しいなんていうべきではない」
などなど…

そうした意識が、これまで日本経済を支えてきたのかも知れません。
でも、それで男性自身が幸せになったのでしょうか?

「女性活躍推進」をきっかけに、男性自身にも、
「本当に自分は、自分らしく活躍しているのか?」ということを考えるきっかけにしていただきがい。
そんな思いを込めて登壇しています。

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