メルマガvol53発行しました~ダイバーシティ推進のジレンマ~
2018.06.28
メールマガジンvol53を発行しました。
築地本願寺のサテライトテンプルで行っている、アンガーマネジメント講座のご案内や、「子どものいない人生を考える読書会」のご案内などを掲載しています。
バックナンバーはこちらからご覧ください。
冒頭には、最近研修講師として登壇の機会が多い「ダイバーシティ」について、感じていることを書きました。
以下、転載します。
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今月は、「ダイバーシティ」をテーマにした研修が続いています。
その中で、いつも強く感じるジレンマがあります。
それは「ダイバーシティに反する価値観を許容するのか?」と
いうこと。
ダイバーシティ研修では、多様性を許容し、それを活かしてい
こうとお伝えしています。
だから、たとえそれが「ダイバーシティには反対」という意見
であっても、許容すべきであろうと思います。
まあ、そこまで正面切って「反対」という方はいらっしゃい
ませんが…。たとえば「育児は、母親の役割の方が重要だから
女性は子どもが小さいうちは、子育てを優先すべきだ」という
ような意見は、割とよく出てきます。「べき」だから、そう考え
ない人は「間違っている」と糾弾してしまうのです。
そうした発言の相手に対し、どこまで「説得」するのか?
依頼してきた人事部の意図は、「そうした考えを変えてほしい」と
いうものです。
しかし、現実には研修の数時間で、長年培ってきた価値観を
覆すのは難しい。
もっというと、そう言った価値観さえも尊重するのがダイバー
シティであろうと思うのです。
だから、そうした発言も、否定しないしたしなめもしません。
しかし、違った考えもあるということは提示します。
そして、違った考えの人が同じ職場内にいたら、その人の考えを
否定しないで尊重してほしい…それをお伝えします。
対立すると、相手を説得することにつながらず、かえって対立を
煽ってしまうと思っています。
少なくとも、自分と異なる考えの人がいること、
そしてそれは正しいか、間違っているかではないこと、
そこに思いを込めています。