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「ケア」が評価される女性たち

2022.08.28

今年で5年目を迎える某メーカーさんの女性を対象とした管理職育成研修が終わりました。
対象者は、総合職ではありません。
一般職等で入社して長く務めてきたベテラン社員の方。

講師としては、研修登壇で終わるだけではありません。その後、受講者について個別にフィードバックレポートを書き、そのうえで上司の部長たちと今後の育成について話し合うという構成になっています。

この部長面談、かなりプレッシャー…。
上司との評価と研修での評価と齟齬がないか?
第三者としての独自の観点からの気づきはご提供できるか?
研修以上に真剣勝負です。

何年か続けているうちに、あることに気づきました。
職場での評価が、対人コミュニケーションに偏っているように思えるのです。

研修中は、論理思考面と対人コミュニケーション、そして受講意欲と大きく3つの領域で評価しています。多くの方が、傾聴や質問など、コミュニケーションが非常に長けています。論理性が高い方は、逆に非常に目立ちます。

こんなことがありました。
研修中のパフォーマンスについて高い評価をした方がいました。特に、ディスカッションでの論点の抑え方や、結論を導き出すまでの論点整理などが素晴らしかったのです。

ところが職場の評価は、実はそれほど高いものではありません。その理由は、チームのメンバーとのトラブルがあり、そこでのコミュニケーションがいまひとつだったというのです。そして、彼女の論理思考の高さについては気づいていなかったとのこと。

これはうがった見方かもしれませんが、女性はそもそもコミュニケーションを通じて、相手に配慮し、人間関係を円滑にすることに期待が偏っているのではないでしょうか。
だから、それ以外のパフォーマンスが高くても、あまり目に留まらない。
逆にコミュニケーションがそれほどでもないと、評価されにくい。

それが原因で、能力を正当に評価されないとしたら、それは残念なことですし、組織にとってももったいないことです。

その是正に第三者として貢献できるとしたら、それはとてもありがたいことだなと感じています。

 

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