今から「汚部屋」防止力を養う
2018.08.05
この大型連休は、みなさんどのように過ごされましたか?
私がこの連休で取り組んだのは、着物や洋服の処分でした。
洋服は、夫婦合わせてごみ袋に5袋分を処分。
それ以外に、私は着物を8着と帯を2本、リサイクル業者に売りに出しました。
まだ着たいなあ…と思うものもありましたが、未練を断ち切っておもいきって処分したのです。
もともと私は、物をため込むタイプ。
「もったいない」「物は大事にしなさい」と言われて育った昭和世代。
そんな私が、なぜ、そこまで着る物の処分に気合いを入れてるようになったのか?
それは「自分がため込んだものを処分してくれる子供はいない」ということを意識するようになったからです。
「断捨離」や「ときめくかたづけ」といった本のヒットに見られるように、不要なものを持たない生き方や方法論が、ここ数年、大きく注目されています。
書店にいくと、要らないものを整理、処分するノウハウ本が出版され、書店独立したコーナーとして、大きなスペースを形作るようになりました。
そうしたコーナーで最近、「老親の家を整理する」ことをテーマにした本が増えているのにお気づきでしょうか?
高齢化が進む中で介護施設への入所などに伴って、親が長年住んでいた家を整理しなくてはならない状況に直面する人が増えてきているのだそうです。
中には、亡くなった親が残したものの始末に業者を頼んだら何百万円もかかったといった例や、親に、ためているものを捨てるように言ったことがきっかけで、親と仲たがいをしてしまった例などが記されています。
私はこうした例を聞き、親の心配より、自分がそうした老人になるのではないかと怖くなってしまいました。
老人は、孤独感がきっかけに、物をため込みやすくなり、結果的に「汚屋敷」を作ってしまいがちという説があります(「ご老人は謎だらけ 老年行動学が解き明かす」佐藤眞一/光文社 )。
年を取ると、ごみを分別する気力や能力が失われ、自分の出したごみがごみ置き場に残されてしまうが、その理由を理解する判断力がないため、「意地悪された」と思い込み、かえって意固地になってごみをため込んでしまう…そんな悪循環に陥ってしまうことが多いのだそうです。
まだ気力も能力もあるはずの今でさえ、物を捨てるのが苦手な私。
ものを残しても、子供であれば、それをありがたがったり、懐かしがったりしてくれるかもしれませんが、そんな子供はいません。
血縁でさえ迷惑に思う遺品の処理を、他人に任せるのは、あまりにも心苦しい。せめて気力を振り絞り、ありったけの力を降り注いで、物をため込まないように、今から心がけたいと思っています。
2014/5/8 掲載