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「子どものいない女性」先入観に一石投じた「逃げ恥」

2018.07.29

「実際私たちの周りをみると、みくりちゃんのように高学歴だけど就職できない人や、百合ちゃんのように50代ですごく仕事も出来てキレイなのに独身という人がたくさんいます。でもそういう人が漫画で登場すると、百合ちゃんなら“お局キャラ”になっていたり、もしくは自虐的にやけ酒を飲んでいるとか、そういう「キャラ立ち」をさせてしまうし、色メガネを通して描かれることが多かったように思います。でも実際にそういう人たちは、もっと幸せに生きていると思ったし、みんな普通の人たちなのに、どうしてこの人たちが主人公として描かれないのかが不思議だったんです。」
(海野つなみ氏 漫画「逃げるは恥だが役に立つ」作者)
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昨年のドラマの大ヒットでご存知の方も多い「逃げるは恥だが役に立つ」の原作マンガが完結。このほど最終巻9巻が発売となりました。

今回、ご紹介の原作者インタビューは、エンタメ情報WEBサイトの「otocoto」に掲載されたもの。「契約結婚」を取り上げた理由や、みくりのキャリアに対する思いなど、新たなな発見も多々あった中で、特に印象的だった部分です。

主人公みくりの伯母である百合ちゃんは、美人でもてたのに、男性経験のないまま50代を迎えています。だからといって、他人のことを不必要に羨んだりせず、適度に自己肯定感をもって過ごしています。

しかし、こうした属性のキャラクターは、海野氏の語る通り、これまでは「お局キャラ」や「オヤジギャルキャラ(古い…)」として描かれることが多かったように思います。そこには、「中年(初老?)の独身女性は、結婚している同性を妬ましく思っているに違いない」という無意識のバイアスがあり、そのバイアスが「だから”幸せな女性”に意地悪するだろう」という根拠のない推測につながっています。

「子どもがいない」という属性も、世間一般から無意識のバイアスを受けやすいのではないでしょうか。

「子どものいる女性に対して妬みがあるから、復職した女性に対してつらく当たる」「(公共の場などで)子どもを泣かしている女性に対して厳しい目を向けるのは、子どものいない女性」といった批評を目にすることも多々あります。時には、十分に見識があると思う人物でさえ、事実に基づいたわけではない、こうした推測を公に口にしている例もあり、驚かされます。

たとえ「うらやましい」と思う気持ちがあったとしても、それが誰かを傷つける行動につながるかといえば、それはまた別の話ですよね。

私が、「子どものいない人生」というページを運営したり、インタビューに答えたりしているのは、世間のこうした無意識のバイアスに異を唱えたいからかもしれない…と気づかされたインタビューでした。

『逃げ恥』原作者・海野つなみインタビュー【前編】「あんな台詞、石田ゆり子さんに言わせられません……!」

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