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「超未婚社会」は課題なのか?~マツコ・デラックスさんの発言について考える

2019.04.22

NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」でのマツコ・デラックスさんの発言が話題になっています。

「みんながみんな結婚して子どもをたくさん産んで少子化を止めることが、この国の正解なのかっていうこと。
日本が数十年後、人口5000万人のコンパクトな国になる、ではダメなのかな?」

発言があったのは、4月13日放映回。
テーマは「超未婚社会」でした。

番組紹介のホームページから、番組の趣旨についての紹介文を引用します。
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いま日本の婚姻率は過去最低を記録。
男性の4人に1人、女性の7人に1人は生涯独身という、“超未婚社会”ともいうべき状況。
少子化の原因の9割が婚姻率の低下にあるという研究も発表されています。
しかし、どうしてこれだけ未婚社会になったのかは、実は研究者も全貌がつかめていない大きな謎。
これまでは男性の収入の不安定化や女性の社会進出、保育所問題などが原因とされることが多かったのですが、AIはいままでの常識とは異なる意外な要素を導き出してきました。
それは「健康と結婚の関係」、「家電量販店と交際相手」・・・などなど、一見全く関係のないと思われるものたちの「つながり」。
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興味深いのは、マツコさんの発言が、この番組のテーマの前提そのものをひっくり返す意味合いを含んでいたことです。

「超未婚化社会」が取り上げられたのは、「少子化は日本の成長の障害となる」という課題認識が前提にあります。
しかし、マツコさんはその課題認識自体に疑問を提示しました。

ある調査によると、団塊ジュニア世代が出産適齢期を過ぎると、日本の人口は回復しないといいます。
ほぼ確実に日本の人口は減少するのが現実でしょう。

だとすると、その現実を受け入れたうえでどんな社会にするのかを議論することにシフトした方がよいのではないでしょうか?

そして、私にとっては「どんな社会にするか」という問いに対する答えは、「子どもがいてもいなくても、結婚していてもいなくても、お互いに尊重される社会」なのです。
残念ながら、昨今の政治家の発言を見ていると、どうもその方向には進んでいない気がします。
それは、この番組で大越記者が指摘したように、
「政治家って衰退していく前提でものが語れないんですよ。だから子供は多い方がいい、活気があります、元気があります、明るい未来を!という方向に、どうしても政策誘導してしまう」
という理由もあるでしょう。

地方選挙がひと段落した今、もう一度私たちはどんな社会にしたいのか、真剣に考えるタイミングであるように思います。

※どんな文脈での発言だったのか、お知りになりたい方はこちらをご覧ください。
▼マツコ、「未婚・少子化対策」に疑問 「みんなが結婚して子ども増やすのが正解なの?ある程度の衰退はしょうがない」に賛同多数

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