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ベルリンで歴史への向き合い方を考える

2019.08.10

少し早めに夏休みをいただいて、ベルリンに行ってきました。

初めてのベルリン。意識したわけではありませんが、そういえば今年はベルリンの壁崩壊から30年周年にあたります。

そのせいか、壁の跡など東西ドイツ分裂時代の遺構には、ドイツ国内含め、世界各国から多くの人が訪れていました。

ベルリンと東京は、ちょっと似ているように思います。どちらも17世紀以降に発展した比較的新しい都市です。そして第二次世界大戦で大きな被害を被り、そこから復興しました。

ベルリンは、東西冷戦の影響を受けて分断されてしまったため、20世紀後半の発展は東京とはかなり異なったものになりましたが。

そう言った意味で、20世紀の歴史的遺構が目立つのがベルリンです。

その中でも特に印象的だったのは、上の写真の「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」通称「ホロコースト記念碑」です。

このホロコースト記念碑は、ベルリンの目抜き通りにあるブランデンブルク門のすぐ近くに、2005年に作られました。

およそ19073平米という広大な敷地に、コンクリート製の石碑群がグリッド状に並んでいるというものです。その石碑の数は2711基。高さは04.5mまでさまざまで、石碑の間は24時間自由に通り抜けることができます。石碑の大きさや数には特に意味はないそうです。

地下には、ホロコーストに関する情報センターがあります(今回はセンターまでは訪れませんでしたが)。

観光客で賑わうエリアに突如としてこのモニュメントが現れると、少々驚きます。ましてやそれが、ホロコーストという悲惨な出来事に関するものであれば尚更です。

日本で言えば、浅草寺や東京タワーのような観光名所のすぐ近くに、「朝鮮人のためのモニュメント」を作るようなものだと言ったら良いでしょうか。

今の日本でそうしたものをもし作ろうとしたら、即座に大きな反対運動が起きるでしょう。実現は難しいと思います。

もちろんドイツでも建設にあたっては大議論になったほうです。それでも、建設を実現したことに、ユダヤ人虐殺に加担したことを絶対に忘れないという国の覚悟を感じざるを得ません。

翻って日本の歴史の暗部への向き合い方は?

ドイツの歴史への向き合い方が国際標準だとしたら、日本は諸外国からどう見られるのか?

そんなことを考えずにはいられませんでした。

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