ロジカルシンキングで一番大切なのは実は情熱だと思った研修
2015.11.06
研修講師のお仕事で山梨県甲府市に行ってきました。
駅前には武田信玄公の銅像。
武田信玄というと、私は大河ドラマの中井貴一さんのイメージがあるのですが、(古い!)銅像ではもっと恰幅の良い人物になっています。
さてこの日、うかがったのはIT系ベンチャー企業。
今後、いっそうの成長をめざすために、管理職の方向けに論理的思考を学んでほしいというご意向を受け、「ロジカル・シンキング研修」を実施しました。
ロジカル・シンキングは、ピラミッドストラクチャーとかMECEとか、主張と根拠を整合させ、漏れやダブリを避ける手法をいろいろ学びます。
この日、私はもそういった内容をお伝えしていました。
こうした手法が有効なのは、何より伝える相手に「理解されやすい」から。
コミュニケーションは相手にわかってもらえてなんぼ。
特にビジネスでは、相手に自分の意向通りに行動してもらうためにコミュニケーションするからです。
でもロジカルシンキングの手法を活かすには、実は精緻な手法を使えるようになることより、
「私は○○さんにこうしてほしいんだ」という情熱がやっぱり大事だなーということをこの研修で実感しました。
最後に、「採用したい学生に、あなたの会社についてプレゼンをしてください」という演習に取り組んでもらったときのこと。
発表するグループ以外の人に学生役を務めてもらい、プレゼンを聞いて「入社したいと思ったか」を判断してもらいます。
誰も入社したい人が表れないという厳しい学生役からの評価が続く中、あるグループが「入社したい」学生を確保しました。
そのグループは「新しいことに挑戦したいと思う人」に入ってほしいと主張していました。
自分たちの会社が、それを実現できるためにどんな会社であるかを語っていたのです。
論理性という点では、まだ不十分なところはありましたが、「新しいことに挑戦したい」と思っている人の心には響くものでした。
研修では「目的を明確にすることが大事ですよ」とお伝えしていますが、
その裏側に、「どんな人に来てもらいたいか」という情熱を持つことが大事だ…と感じた瞬間でした。
そして、それは自社をどんな会社にしたいか、明らかにしていくことにもつながります。
企業研修は、そうした思いを培う時間にもしたいなと、私の思いも新たにしました。
「人は城…」と言った信玄公は、自分では天守閣のあるような城を築かなかったそうです。
だから甲府市内にある城の跡は、豊臣秀吉が築いたもの・・・とはタクシーの運転手さん情報。
人を大事にする信玄公時代からの伝統を、今後もぜひ大切にしていただきたいと思っています。