いい会社を育てる投信 鎌倉投信 鎌田社長のお話
2016.05.05
ゴールデンウィークのとある日、鎌倉投信の鎌田社長のお話を伺う機会がありました。
鎌倉投信は、NHK「プロフェッショナル しごとの流儀」でも取り上げられたので、ご存知の方も多いかもしれません。
これからの社会に本当に必要とされる会社、ファンとなって応援したくなるようないい会社に投資することをビジョンに掲げ、唯一の投信「結い2101」を運用しています。そんな鎌倉投信さんの運用成績は、創業した2008年以降の成績は、一貫してマーケット平均を上回っているそうです。
ところで鎌田社長、お話を聞いて知ったのですが、どうも私と同い年。社会人になったのは同じ年。そして第1社目を退職したのも同じ年。勝手ながら親近感マックス(^_^;)。
私が特に印象に残ったのは、投信そのものではなく(ごめんなさい)、鎌田社長ご自身のキャリアです。
鎌田社長の場合、大学を出たときに特に金融業界を志望したわけではなく、なんとなく当時人気のあった信託銀行に入社。外資系金融会社に転職し、その後、経営のポジションにも就任。2008年、45歳の時にその会社も退社。副社長という高ポジション、高収入なのになぜ?と不思議がられたそうです。
実は鎌田社長は、20年以上、金融業界に身を置く中で、ずっと違和感がぬぐえなかったといいます。
若手社員の頃はまさにバブル絶頂期。でも当時は社長の話を聞いても、会社が何をしたいのか、よくわからなかった。マネーゲームに巻き込まれ、いたずらに自社の利潤を追うばかり…そんなふうに感じたと話されます。
その違和感の原点は、鎌田社長の生まれにあります。
島根県出身で、ご実家は「小さな商売をしていた」とのこと。
お金そのものの大切さを幼いころからみて育ったから、マネーゲームで、お金が実態と離れていく様子に「何かおかしい」という気持ちを抱き続けたのではないかと、振り返られていました。
面白いなあと思うのは、ずっと違和感がぬぐえなかった金融業界であったのに、結局、金融の会社をたちあげていること。
「いま振り返ると、20年余りの金融業界での経験は、このためにあったのかと思います」
講演のあとの懇親会で、さらりとそんなことをおっしゃる鎌田社長。
あるべき金融会社を作るために、神様から選ばれた人なのかも…などと思いました。
鎌田社長のキャリアと比べるべくもありませんが、私も自分について、長年「ここにいるのが本来の姿なのか?」と微かな疑問を持ち続けていました。でも、なかなかやめるタイミングが訪れなかったのです。
いろいろな条件が重なって辞めることになった4年前。
それはやはり辞めるべくして辞めるタイミングだったのかな・・・と思い起こしています。
ある目標に向かって、障害を乗り越えてまい進するのも大切ですが、もしいま、がんばってもがんばっても、事態が変わらないのは、もしかしたら今はまだ『その時』ではないのかもしれません。