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大人の女性が力を発揮するとき~「アナと雪の女王」を見て

2014.06.03

こんばんは。キャリアコンサルタントの朝生です。

今さらですが、この週末に「アナと雪の女王」の映画を見てきました。

一緒に行った夫は「まあ、映像と音楽はよかったけどね」という反応でしたが、私はいろいろ考えさせられました。

特に姉のエルサの様子を見て、「均等法以降の企業で働く女性のようだ…」と思いました。
つまり自分の世代の女性たちのことです。

<あらすじ(映画.comより)>

触れたものを凍らせる秘密の力を持ったエルサは、その力で妹アナを傷つけてしまうことを恐れ、城の部屋に閉じこもって暮らしてきた。やがて成長したエルサは女王の座に就くこととなり、戴冠式のためにひさびさに人々の前に姿を現すが、ふとしたきっかけで力が暴走。王国を真冬の世界に変えてしまう。耐えきらず逃げ出したエルサは雪山の奥で自らの力を存分に解放し、ありのままの自分でいられることに生きる喜びを見出す。一方、アナは姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、夏にあこがれる雪だるまのオラフとともに、雪山の奥へと旅に出る。

大ヒットしている「Let It Go」は、エルサが雪山の奥に逃げ込み、自らの力で氷の城を作って、そこで暮らすことを選んだ時に歌われます。
使ってはいけないものとして長年、押さえてきた自分の力に気づき、歌いながらその力を解放させ、自分のための素晴らしい城を作り上げるのです。

しかし王国は、彼女が力を解放したために、本当は夏だというのに、雪に閉ざされてしまいます。

私はいわゆる「男女雇用均等法世代」です。
「男性のみ」という採用上の条件が禁止され、女性にも男性と同じ仕事に挑戦する機会が開かれたと知った時の新鮮な驚きと嬉しさを、まだ覚えています。
それまでは、学校では男子に負けない成績であったのに、社会に出た途端、男性のサポートとしてお茶くみやコピー取りをするのが仕事であると、なんとなく思い込んでいたのに、自分の力を、自分のために使っていいんだ…そんな解放感でした。

幸いに、私は環境に恵まれて、「女性だから」と強い制約を受けることなく、むしろこれまで女性がいなかった分野のポジションに挑戦する機会を与えられました。
自分が企画したものを周囲を巻き込んで形にできるようになってくると、仕事そのものが面白くなってきます。
30代の私は、転職を挟んで仕事に没頭する毎日でした。

その頃の私の仕事に向かうエネルギーの源泉は「自分を成長させたい」「自分を認めてもらいたい」ということ。
だから「Let it go」(勝手にさせて)。
振り返ると、赤面するほど傲慢でした。
自分が一番がんばっているんだ、それを認めないなら相手が悪いんだ…そんな心持でありました。
いたい…あまりにもいたい。ああ、はずかしい。

「アナと雪の女王」の話に戻りましょう。
エルサが山奥で氷の城を作り、一人でそこに住んでいたのは、自分の力に酔った状態です。
「Let it go」と言い、次々と素晴らしい氷の城を作るのですが、その美しさを楽しめるのは自分だけ。
雪や氷を生み出す力は強いけれど、それを制御できないから、国民にそのしわ寄せがきてしまいます。
そして最愛の妹、アナの命まで脅かすことになってしまうのです。

エルサが自分の力をコントロールできるのは、アナへの愛を自覚し表現した後です。
これはどういうことを意味しているのでしょう?

私達が仕事を通じて培った力は、自分のために使っている間は、誰かを傷つけることから免れません。

しかし、「誰かのために」ということが明確になると、初めて人の幸せの実現のために、力を使えると言えるのではないでしょうか。

そして、自分のことより「誰かのために」という強烈な思いは、ある程度、年齢とともに経験を重ねてきて芽生える感情なのでは。

私が平均タイプとするならば、ちょうど均等法世代の女性は、「誰かのために」を考えるお年頃かもしれませんね。

froz_payoff_large<映画.comフォトライブラリーより>

 

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