後悔しないように…というけれど
2020.04.19
〈出張で泊まる予定だった水月ホテルの女将〉
本来なら今週は東京に出張で出かけている予定でした。
そこで泊まるのを楽しみにしていたのが、「水月ホテル鴎外荘」。
ニュースなどでも報じられていたのでご存知の方も多いと思いますが、森鴎外の居宅が敷地内にある池之端にあるホテルです。
もうすぐ閉館と聞いて、慌てて予約しました。
実は十数年前、夫が盛岡に単身赴任している間、わたしはこのホテルのすぐ近くに部屋を借りていました。
とにかく仕事に忙殺されていたので、千葉県柏市までの通勤時間が辛くなだていたのです。夫がいなかで一人ならと、かねてから住みたかった谷根千エリアに一人暮らしを始めたのでした。
すぐ近くにあったのがこのホテル。鴎外の家がこんな近くにあると感激したのを昨日のように覚えています。
東京に住んでいる限り、都内のホテルに泊まることはないだろうと思っていました。ですから今回の札幌の転居は、出張時に気になっていたホテルに泊まるチャンスに思えたのです。
ところが今回の新型コロナウイルス対応で、出張自体が取りやめになってしまい、念願の水月ホテル宿泊は叶わぬ夢となってしまいました。
あの講座を受けたかったけど、東京でしか開催されていなかった
実家に住む両親に会いたいけど、コロナ感染も心配なので会いに行けなかった…
こんなふうに、思いがありながら取りかかれないままでいることがあります。
いつかは…と思いながら、その「いつか」がいかに不確かなものの積み重ねの上にあるなだということを、気づかされました。
その現実は、現実として受け入れざるを得ない。
できる限り「やればよかった後悔」をしないよう、思い立った時に始めることを心がけつつ、できなかったことは「縁がなかったのだ」と執着はしない。
それが今、できることに集中するということなのかもしれません。