話が通じない場合は割り切りも必要。だって違う人だから。
2015.09.23
だいぶ間が空いてしまいましたが、コミュニケーションの話の続きです。
「話せばわかる」と言いますが、話してもわかってもらえないから、コミュニケーションについてのご相談が絶えないわけで(^^;;。
何回も、そしてあの手この手を尽くしても、どうも話の通じない相手の存在というのは、多くの方が経験されていると思います。
すごーく乱暴に聞こえるかもしれませんが、
そういう場合もお勧めするのは「こちらの言うことを通じさせようという努力の放棄」です。
え!?
それじゃあ仕事が思ったように進まない…
と、心配になりますよね。
ご安心ください(あんまり安心できないかもしれませんが)。
あくまで「放棄」するのはスタートラインでのことです。
こちらの言うことを通じさせたいと思う背景には、何かしらの自分の規範による相手への期待があることが多いです。
上司だから、そんなことはわかるべき。
若手といっても、もうこんなことはいわなくてもできるべき。
同僚だったら、この気持ちをわかってくれるべき。
その期待値からスタートすると、相手の言動がその値に達しなかった場合、ついマイナスの評価になってしまいますよね。
だから、相手を「~べき」という期待値からとらえないことをお勧めするのです。
ただし、誤解していただきたくないのは、相手への「諦め」からスタートするという意味ではないということ。
「諦め」ではなく、「相手は自分とは違う考えや価値観を持つ人間だ」ということがスタートなのです。
そのうえで、何かを伝える本当の目的は何か、を改めて確認します。
業務の成果をあげるために協力してもらいたいのか、
相手に成長してもらいたいためのアドバイスなのか、
自分の主張を認めてもらいたいためなのか。
一つ目は、業務上の責任があることですから、努力を続けなければなりませんね。
私が有効だなと思うのは、こちらが折れて頭を下げること。
「お願いだから協力してほしい」という姿勢を示すと、少なくとも邪魔はされなくなるようです。
二つ目は、「いつか相手がわかってくれる」という気持ちで接するしかないように思います。
実際、若い頃に厳しいことを言った後輩が、何年かして「あの時、厳しく接してくれたこと、今になってありがたいと思いました」と言ってくれた経験もあります。
ただし、伝えるときには「あなたのためだから」と本当に自分も信じられること、そしてそれを相手に伝えることは大事であると思います。
しかし、選択権は相手にあります。
自分の伝えた通りに相手が行動しなくても、きっと気持ちの一部は通じていると考えましょう。
教育ってそういうもんですから…。
もし、三つ目のような「自分への評価のため」が思い当るなら、相手に伝えることはいったん止めにした方が良いかもしれません。
利己的な理由は相手に伝わるものだから、うまくいく可能性は少ないです。
伝える動機が「自分」にあるのか、相手や組織にあるのか、その峻別は意外と難しいですね。
利己的な目的とは、なかなか認めにくいですから。
でも、そこを厳しく行うことで、相手に伝えたいという気持ちの純度は間違いなく上がり、そうなると通じる相手も増えるはず。
私自身、会社員時代のうまくいかなかったプロジェクトを振り返ると、
どこかで「こんなに頑張っている私なのに、どうしてわかってくれないの」
「上司なら、目立たずに努力している私のような存在にも気づくべきだ」と
期待値だけが空回りしていたことが多かったように思います。
逆にうまくいった時は、自分自身が純粋に「やりたい」「これは必要だ」と信じていたことであったと言えます。
私の体験から、コミュニケーションについてまとめてみました。
一つの考え方として、ご参考になれば幸いです。
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