40代女性の「貢献アイデンティティクライシス」
2014.12.19
まだちょっとはやいですが、今年の取組をつらつらと振り返っています。
今年、自分のビジネスを大きく方向転換しました。
夏以降に力を入れたのが、「40代の働く女性のキャリア」です。
40代女性のキャリアといっても、世間に喧伝されるような「指導的立場の女性」を増やすということではなく
どちらかというと「このままでは自分の居場所がなくなる」という不安に答えたいと考えていました。
そのうちに「居場所」と一言で言っても、人それぞれに意味が違うことに気が付きました。
大きく4タイプに分けて考えてみました。
そのなかでいま、私自身が「なにかお手伝いできないか」と思っているのは、最後の「貢献アイデンティティクライシス女子」です。
4つの「居場所」を順に説明してみましょう。
ひとつめは、「収入源」としての居場所。今の会社に居続けられるかどうかが切実な問題になっている場合です。
ミドルエイジ以降が、リストラの対象とされる実例がある外資系や中小企業の方に多いです。
収入が途絶えるということで、生活基盤が脅かされる危機感を持たれています。
大企業安定型企業に勤めている方に多いのは、「仕事以外の居場所」。
大企業にいるのでリストラの危機もそう高くなく、体力の衰えに反してがんばらなくても世間相場以上の給与はもらえています。
そもそも若い頃からしっかり家も購入して貯金もしているので、お金の心配はそれほどなく、むしろ会社を辞めた後、空いた時間を過ごす趣味を見つけたいという方。
3番目は、会社の方針と自分のやりたい方向が一致している人に多いのですが、「会社に貢献する場」としての居場所です。
この人たちは、会社にもその力が評価され、結果的に順調に昇格もされています。
一見ハッピーですが、「会社の期待に応えるだけの力を持ち続けられだろうか」ということに不安を覚えているのです。
最後が、私が「貢献アイデンティティクライシス女子」と呼んでいる人です。
今までは会社の仕事を通じて誰かに貢献している実感があり、それが働く上でのやりがいとなっていました。
「誰か」というのはお客様であったり、社内の後輩であったり、それはまちまちですが、貢献実感がやりがいであり、自分のアイデンティティにもなっていたのです。
特に、私のように子供もいない人だと、「母」というアイデンティティは培われないので、私のアイデンティティは=仕事で「誰かに貢献している自分」が全てになりがちです。
しかし、40代を迎えると、もはや価値を発揮できない存在となりつつある現実に直面します。
それが、「貢献アイデンティティクライシス」となります。
会社の経営方針や成長ステージが変わっていく中で、これまで自分が築いてきたスタイルや方針が通用しなくなってきます。
かたや自分の後輩たちが成長し、相対的に自分よりも成果を出せるようになってきます。
下手をすると、自分のやり方は今の会社にとって「有害」とまで言われてしまうこともあります。
「誰かに貢献していること」が、自分のアイデンティティだったのに、今いる場所ではそれを失ってしまうかもしれないのです。
ただ、こうした女性たちは、力がないのかというとそんなことはありません。
これまで貢献してきた実感があるのですから、それだけの力は持っている方です。
たまたま会社の方針とマッチしなくなっているだけ。
であれば、その力をどう活かしたらよいのか、現状にとらわれることなく、広くその場や方法を考えれば、きっと道がみつかるはずです。
40代の「貢献アイデンティティ女子」のこれまでの貢献対象は、会社という自分以外の環境からもたらされたもの。
これからは、貢献する対象を自分自身でみつけていかなくてはならないのです。
それは、組織からの期待役割にこたえてきた身にとって、実はなかなか難しいものです。
見つけたところで、果たしてその相手に自分が価値を発揮できるかどうかも問われますしね。
実は私自身が「貢献アイデンティティクライシス女子」でした。
思い出しても、その時に感じていた厳しさに、今でも肌がヒリヒリする感覚を覚えるのです。
その辛さから逃げ出さずにいられたのは、当時の私を支えてくれた周囲の人たちがいたからです。
これからは、私自身が、いまアイデンティティの危機を迎えている女性を支える存在でありたいと強く思っています。
というわけで、今年から来年は、貢献アイデンティティ女子を対象に、その対象を見つけるお手伝いをしていきますよ~!と決意を新たにしたのでした!
▼今後の開講セミナー予定
2014年12月20日 40代女性のためのキャリアセミナー ~今の不安に向き合う~
2015年1月開講 連続講座「40代女性のためのキャリア講座 ~自分軸を基に新しい可能性を探る~」