大学生向けアンコンシャス・バイアスの講義でのうれしいコメント
2022.06.21

いきなり福澤諭吉先生の銅像で恐縮です。
実はご縁があって、母校である慶應義塾大学の塾生さん向けに「アンコンシャス・バイアス」について講義をさせていただきました。
対象となったのは「理工学部物理情報工学科」という、私から最も縁遠そうな勉強をされている学生さんたち。何を研究しているのか、事前に調べてみたものの「ふーん」で終わりました…。
最近、アンコンシャス・バイアスについての企業研修を立て続けにご依頼いただいていますが、社会人ばかりで学生向けははじめて。何を話したらよいか、さんざん悩みました。
たとえば、事例は会社のものでよいのか?
逆にいま、彼ら彼女らが学んでいることに紐づけるとしたらどんなことがあるだろう?
学生さんに身近なもの、自分と関係の深いものと思っていただけないと意味がありませんからね…。
考えた結果、アンコンシャス・バイアスとテクノロジーの関係について、ネタをいくつか用意して臨みました。
1.5時間と短いながら、ずいぶん時間をかけて準備をしました。
ご依頼主の清水智子先生にもご相談にのっていただけたのもありがたかったです。
当日はパソコンの画面の向こうで、参加者がどんな表情をしているのか、想像しながら進めました。楽しんでもらえる様子も伝わってきました。
終わった後の質問も鋭く、すぐに答えるのは難しいものも。普段から関心を持っている人がいることを実感しました。
ダイバーシティの観点で考えると、賛否どちらも尊重するので、どちらにも理があるように思えます。すっぱり割り切れない。
でもそうしたもやもやの状況に、向き合い続けることで、本質的で包括的な結果にたどり着けるのだと信じています。
…ということを言ったつもりなのですが、伝わっていればうれしい。
事後にアンケートをとってくださったとのことでした。みなさん、感想をたくさん書いてくださってうれしい💛
改めてこうした機会をいただけたことに感謝いたします。
アンケート、一部を抜粋してご紹介します。
■あまりいい言い方ではないが「くだらない道徳の授業」になりかねないテーマだな、と思ったがとても有意義な授業であった。真に現実の問題と向き合っているのだという感じがした。
■偏見に気づくためにテクノロジーが開発されているというのにはとても驚きました。確証バイアスなどは⼈間関係だけではなく、勉強や研究面でも起こりうると思うので気を付けていきたいです。
■とても興味深い話で、 気づいたら 90 分経っていた。バイアスというものは、あまり意識していないだけで、誰だって普段の生活の中で出てしまっているはずだ。⼤事なのは、⾃分はバイアスなどないと思い込み、密かに⼈を傷つけているのかもしれないという考えすら持たないことである。今 ⼀度⾃分の⼈生、いや昨⽇だけでもいい、何かバイアスのかかったことを言っていなかったか思い出してみよう。
■もとから性別による差別といったバイアスに興味があり、ほかにもたくさんの バイアスを知ることができて今回の講義は⾮常に興味深かったです。この講義 以前でも、女性に対して「彼氏いるの?」とは聞かずに「好きな⼈とかいるの?」 と聞くようにしていましたし、男性に対しても同様に彼女がいるかという聞き方はしないように意識していました。しかし逆に言うと意識しないとこのような配慮ができないというのも事実で、無意識のうちに傷つけてしまう場面があるのかもしれないと思うと、この問題は⾮常に難しいなと改めて感じました。⼈間には過去の経験や知識で判断をする特性がある以上バイアスを完全になくすことはできないと思うので、今後⾃分の発言や行動を見直してマイクロアグレッションはなかったかどうか考え、少しでも嫌な気持ちをする⼈が少なくなるように生きていかなければならないなと思いました。