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ハラスメント対策とアンコンシャス・バイアス

2025.05.29

すっかりブログの更新が滞ってしまっておりました💦
ブランクの間、旅行と茶道に邁進していた朝生です。(もちろんお仕事もしていますよ(笑))
その話はおいおい、ご報告するとして…最近の講師のお仕事について。

ここ最近、「ハラスメント対策」を目的とした研修の依頼が続いています。
企業様のハラスメント対策が広がっていることが背景にあります。

私には、特にハラスメントの原因として「アンコンシャス・バイアス」に焦点をあてたものを、と依頼されます。逆に「アンコンシャス・バイアス研修」を依頼されて、その理由をうかがったらハラスメント対策だった…ということも少なくありません。

ある会社は、多様な人材、特に女性の活躍する企業として有名でした。ところが、急成長を支えてきた強烈な組織文化があり、中途で入社する人に対して、ややもすると排除するような事態が起こっていることがわかりました。

別の例では、トップの強力な牽引力とマーケティング力によって成長してきたものの、社員がメンタル不調に陥ったり、定着しなかったりするということで相談がありました。事業に対する強い信念のあまり、トップが社員に厳しく当たっているのが原因とのこと。

私たちが無意識に持っている思いや信念は、時にバイアスとして、対象となる人や事柄に対する偏った評価や判断につながります。

「アンコンシャス・バイアス研修」として実施する場合は、できるだけ先方の事情をヒアリングし、よく見られるハラスメント行為に紐づくバイアスを取り上げます。それでも、「自分が正しい」という思いはなかなか変えられません。

バイアスは、長年の蓄積で培われており、特に成功体験が伴う思いは、なかなか修正することが難しいのが現実です。修正するにしても、非常に時間がかかります。単発の研修での限界を感じるところです。

できれば、研修の後に、個別、もしくは少人数のコンサルティングで継続的にフォローしていきたいところなのですが、それも現実には難しい。

対処方法として、短期のものと中長期のものに分けます。
短期のものとしては、アンガーマネジメントやアサーティブコミュニケーションの手法が役立ちます。

中長期的には、アンコンシャス・バイアスを起こさない仕組みやその実行施策をを考えていただきます。その実行まで関われないのが研修講師の辛いところですが、検討してもらった施策を実行していただくためのアフターフォローまで、研修事務局の方と話し合います。

昨年来、3度にわたって管理職向けに「アンコンシャス・バイアス研修」を行った、ある団体では、受講者の部下から上司を評して「研修で変わったねー!」という噂が聞こえてきたそうです。

講師冥利に尽きますが、すばらしいのは学んだことを吸収して、実行した受講生なのだと思うのです。

アンコンシャス・バイアスを切り口に、ハラスメントのない職場が広がっていけばうれしいと、改めて感じています。

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