私たちは「反出生主義」に答えることができるか?
2019.02.12
インドのムンバイで、ある男性が、「同意なしに自分を生んだ」といって両親を告訴しようとしていると報道されました。
告訴しようとしているのは、ラファエル・サミュエルさんという27歳の男性。
「苦しみや悲しみばかりの世の中に、子供を産むことは倫理的に間違っている」と訴える反出生主義者です。
このニュースによると、この主義は広がりつつあるとのこと。
ネットで検索すると、反出生主義は新しい主張ではなく、19世紀の有名な哲学者アルトゥル・ショーペンハウアーは強力な反出生主義者であったようです。
実際に子どものいない人の中には、「こんな世の中に子どもを産むのは、当の子供がかわいそうだ」と考えての人も少なくありません。そうした人々にとって、同意できる主張ではないでしょうか。
個人としてこの世に生きるのがつらいのみならず、残念ながら、人間の存在は、地球環境を壊したり、他人を傷つけるという負の面があるのは否定できません。
そうした主張に対し、私たちは的確に反論できるか?
そんなことを考えさせられる記事でした。
ちなみに、サミュエルさんの母親は弁護士で、「私たちが彼にどうやって同意を取ることができたのかについて、ラファエルが論理的な説明ができたならば、自分たちの非を認めましょう」と答えているそうです。
私としては、こうした様々な角度から議論できること自体は、人間としてこの世に生きている楽しみの一つであるようにも感じますが…。