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村上春樹が答えた~子どものいない人生

2018.08.05

「僕にも子供はいませんが、ため息なんてついてませんよ。
『無条件に愛することができるもの』は与えられるのではなく、自分で見いだしていくものです。
与えられなかったことを嘆いているだけでは、人間として進歩はありません。
あなたがあとに残せるものはなにも、自分のこどもだけではないはずですよ」
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小説家の村上春樹さんの著書「村上さんのところ」からの引用です。
この本は、村上春樹氏が読者からの質問に答えるという目的でネット上に設けられた特設サイトの回答を抜粋、まとめたもの。

このサイトでは子供のいない村上氏に、子供についてのいくつかの質問が寄せられていますが、そのひとつに、43歳の男性からのものがありました。「無条件に愛せる存在がほしかったなあ」「生きる張り合いがない」と嘆いている彼に対し、村上氏は「ため息をついていないで、がんばって前向きにいきてください」と答え、引用したコメントをしています。

村上春樹氏の小説は、人生において欠落したものを、どこか感じさせるように思います。
それが多くの人を引き付ける氏の小説の魅力だとしたら、それはその欠けたものを嘆くのではなく、「引き受けている」からかもしれない…と、この回答を読んで感じたのでした。

2015/10/13

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