女性上司のマタハラは、なぜ妬みからと思うのか?
2015.11.22
プレジデント・オンラインに「マタハラの『隠れ犯人』は女上司だったのか?」という記事が掲載されています。
全文を読むと、必ずしも女性上司のせい一辺倒にしているわけではなく、男性も女性もひとそれぞれと主張していることがわかります。
ただ、文中にある食品会社の人事部長のコメントとして「女性が妬みから、妊娠した女性にハラスメントを行うことがある」とあったのには、平静ではいられませんでした。
私がまさにその条件にあてはまるからです。
前職の会社員時代、なんどか妊娠中、あるいは育休中の女性をチームメンバーに持ったことがあります。
そして私自身は不妊治療をしたものの、子供が授からなかったという経験があります。
本文からその人事部長のコメントを引用しましょう。
「女性同士だから妊娠・出産した女性に協力してくれるというわけではない。女性の上司が結婚しているとは限らないし、出産している人ばかりではない。むしろ子どもを持つ男性上司のほうが、子どもが熱を出したらどういうことが起きるのか理解できる場合もあるし、性別は関係ない。また、本当は結婚して子どもを産みたかった女性上司の中には、子どもを産んだ女性に対して嫉妬の気持ちを抱く人もいると思う」
気になるのは一番最後の部分です。
前のページで、産休育休をとる女性の欠員分を埋め合わせ強いられる男性上司は、マタハラをしやすいと書かれています。
それが女性上司になると、なぜいきなり理由が「妬み」になるのでしょうか?
その理由は示されていません。その人事部長の推測というだけです。
女性上司も、人繰りに困りそれがハラスメントの言動に表れてしまったとは、なぜ考えないのでしょうか?
私個人の心情からすると、子供のいる人がうらやましくないかといわれたらウソになります。
今でも子供を抱えた友人の写真を見ると「治療が成功していたら、このくらいの子供がいたのかな…」と、寂しさを覚えることもあります。
でもそれが、ハラスメントをするまでの妬みかといわれると、ちょっと待ってよ!と言いたくなります。
自分の個人的感情に左右されてマネジメントするほどひまじゃないよ、です。
私たちは、誰かから不利益を被った時に、その理由を知りたいと推測します。
えてしてそれは、単なる推測であり事実がどうなのかを確かめることはしません。
さらに、他人同士の関係だと、第三者は自分の関心のある方向に面白おかしく分析しようとします。
そんな推測をされないようにと身をただすのはもちろんですが、他人の推測を制限するのは難しいところがあります。
しかし少なくとも自分はそうした推測で人を評価しないようにしよう…
そう思わされた記事でした。