あこがれのプリンスエドワード島へ
2024.08.18
「赤毛のアン」シリーズは、夢中になった方も多いかと思います。
私も、小学生から中学生にかけて、新潮社から出版されていたシリーズを夢中で読み漁りました。舞台となったプリンスエドワード島は憧れの土地でもありました。そのプリンスエドワード島に、今夏行ってきました。
(一社)WINKの取り組みの一環で、バケットリスト(生きているうちに実現したいことのリスト)を作った時に、ふとプリンスエドワード島(PEI)へのあこがれを思い出したのでした。よかった、思い出すことができて。その旅のレポートを今回はお送りします。
旅程
一般的には、カナダエアを使い、トロント経由で訪問するコースですが、私はJALマイレージを使うため、ボストンを起点とするイレギュラーなコースとなりました。
成田空港発JAL便→ボストン一泊→Porter航空でオタワ経由PEIシャーロットタウン空港→レンタカーでシャーロットタウンへ。ここで3泊→エアカナダでモントリオール経由ボストンで3泊→成田空港
成田〜ボストン以外、宿もエアもエクスペディアで予約しました。
JALマイレージで航空券は、人気のコースだと約1年前にとる必要があります。
カナダの空港のセキュリティチェックは、米国より厳しいようです。ボストンでは引っ掛からなかったものが引っかかってしまいました。リキッド類の持ち運びについてうっかりしていたのがいけないのですが…。
PEIの過ごし方
◯1日目:夕方宿に到着。チェックインと夕食
ハーバーハウスというB&Bに泊まりました。
部屋は広く簡易キッチンもあって快適な宿でした。ただ、ツインベッドの部屋がなくキングサイズのベッド。ツレの寝返りに、揺れに弱い私は睡眠不足に。
レンタカーを空港で借り、島内はそれで移動。空港からシャーロットタウン中心地のまではタクシーも使えます。公共交通網は、あまり発達していないようです。
アンの時代にあった鉄道は、1960年代に廃線になってしまったとのこと。
◯2日目:いよいよ、アンの部隊となったアヴォンリー村のモデルであるキャベンディッシュはじめとするL.M.モンゴメリーのゆかりの地巡り。
キャベンディッシュまであhシャーロットタウンから約40分程度。ナビでは山側と海沿いの道、両方示されます。山側が多少時間はかからないようですが、海の景色を見たくて海沿いの道を選択。
グリーンゲイブルズはすごく立派なビジターセンターがあり、観光客も多く、ちょっとよそうとちがっていました。「赤毛のアン」は、日本の人気が突出していると聞いていたので、こんなに諸外国の人が訪問すると思っていなかったのです
とはいえ、待ち行列ができるほどのことではなく、小さい家ながら、赤毛のアンに出てくる「割れた石板」「バラの柄のティーセット」「イチゴ水」「茶色の袖の膨らんだ服」などが、あちこちに置かれていて、なかなかマニアックな展示がされています。
周囲には「恋人達の路」や「おばけの森」が、それぞれ1キロ弱の散策路にされており、グリーンゲイブルスを見たあとは、そちらを楽しむことができます。アンが愛した場所は、作者L.M.モンゴメリーが実際に愛した場所なのです。
「おばけの森」を抜けたあたりに、モンゴメリーが執筆したキッチンハウスや住居跡があります。住居跡は、建物はなくレンガの土台のみ。ただし、これを見たい場合はビジターセンターで追加で入場者が必要です(グリーンゲイブルズのみなら9ドル、家まで見るなら14ドル)。
また、キャベンディッシュ村の墓地もあり、そこにはモンゴメリーのお墓もありました(親族との共同墓地)。トロントで亡くなった彼女は、この土地に葬られることを希望したのだとか。
ビジターセンターの裏にカフェがあり、マフィンなどが食べられます。ただ席は少なめ。お天気良ければ外でも飲食可能。赤毛のアンにちなんだ「ラズベリーコーディアル(いちご水)」も売っています。売店も充実。あいにく私の好みのものはあまりなく(断捨離中でもあるので)、買ったのはステッカーのみ。
その足で、やや離れたエリアにあるモンゴメリーの生家へ。本当に小さな家ですが、モンゴメリが結婚式に着たガウン(レプリカ)や、彼女が作っていたというスクラップブックが展示されてて、たいへん興味深かったです。
その後、グリーンゲイブルズ博物館へ。ここは、モンゴメリーのいとこの家であり、彼女が結婚式を挙げた場所でもおります。敷地内には、これまたアンが名付けた「輝く湖水」もあります。
ここにはモンゴメリーが撮った写真の展示があり、彼女の意外な趣味を知ることができました。
お天気が崩れそうだったので、急いでケンジントン駅舎へ。「赤毛のアン」の中に出てくる駅舎のモデルとか(諸説あり)。PEIの鉄道は1960年代に廃線となってしまったそうで、駅舎は今はパブになっていました。
宿に戻ってスマホを眺めているうちに、やっていないと思い込んでいたミュージカル「赤毛のアン」がシャーロットタウンで上演していることを知り、慌てて代理店にチケット手配を頼みました。
◯3日目:強い雨風の日となってしまいました。PEIには個性的な灯台がたくさんあり、名物となっています。それを見にドライブへ出かけたのですが、ケープ・トライオン灯台を見たところで、雨風がひどくなってきてしまったので方針転換して街中へ。ちなみに、この灯台は「赤毛のアン」シリーズ第6巻「アンの夢の家」に出てくるフォア・ウィンズ灯台のモデルとなったといわれています。
シャーロットタウンには、素敵カフェがいくつかあると聞いたので、カフェ活好きな私としては見逃せず、「Lwonhard`sカフェ」へ。野菜たっぷりのサンドイッチはとてもおいしかったのだけど、ボリュームがありすぎて半分はお持ち帰り。白を基調とした店内、テーブルには白い花…とてもすてきなお店。食べてているうちに長蛇の列ができていて人気のほどがうかがえます。
その後、すぐ近くのアイスクリーム店「Cow’s」でデザート。「赤毛のアン」にもアイスクリームが出てきますが、カナダのアイスクリーム発祥の地はPEIだとか?ホントかな?
宿で少し休んで、夕方からコンフェデレーションセンターのミュージカル「赤毛のアン」鑑賞。夏だけの上演とはいえ。これにもほぼ満席の人が来ていることにびっくり。年配の方も子供さんもいて、世代を超えて愛されるこの物語の魅力を再認識しました。国境、世代を超えて普遍のものがあるのだ…と思ったら、なんだか涙が溢れて止まらなくなってしまいました。
1965年から上演されているということでギネスにも載っているこのミュージカルは、数年前に大幅リニューアルし、役者さんにアジア系やアフリカ系も登用されるようになりました。プログラムで確認するとアンとギルバート役はアジア系のように見えます。舞台も最初やや違和感があったものの、見ているうちにすっかりアンの世界に没入。
ミュージカルの中で、アイスクリームの魅力を高らかに歌うシーンがあるのですが、そのせいか終わったあとに、すぐ近くの「Cow’s」に多くの人が向かうのが面白いところですね。(私はぐっと我慢…)
「アンとギルバート」(「アンの青春」「アンの愛情」相当)も上演していたので、連続で見るというのも一案だったかもしれません…。でも食事がどれもおいしいPEI。ディナーを外すという選択肢はありませんでした💦
最終日は、前日とは打って変わっての晴天。朝の散歩としてシャーロットタウンの歴史的建造物めぐりを締めくくりとしました。
シャーロットタウンは、都会だけれどこぢんまりとして落ち着いた街。車も歩行者優先だし、お互いに譲り合ってくれます。空も広く海もあって、いると体や脳に心地よい隙間ができてくる感がありました。
「赤毛のアン」の世界がなくても、もう一度訪れたくなる場所です!
関連
←記事一覧に戻る