Office Carlino個人の力を組織力へ。ダイバーシティ推進・ミドル活性化は朝生容子へ お問い合わせ 子どものいない人生ポータル

ラグビー ワールドカップから学ぶ

2019.11.13

ラグビーワールドカップが終わりましたね。
あの興奮が既に昔のように感じられます。

私の大学生のころはラグビーブームだったこともあり、30年来のラグビーファン。最近でこそ、年齢もあって寒いラグビー場に出かける頻度は減りましたが、以前は毎年、ラグビー場に足を運んでおりました。
高校や社会人チームには昔からトンガなどの外国人選手も多く、ラグビーというスポーツの国際的広がりを感じていました。

そんな私でも、4年前のワールドカップの時に代表の面々を見て、「これが日本代表?」と違和感をぬぐい切れませんでした。
ちなみに今回のワールドカップでも日本代表選手31人のうち、15人が外国出身で、日本に帰化していない外国籍の選手も7人いました。

そう感じた人も多かったのでしょう。ラグビーの各国代表チームの選抜基準が、サッカーや野球などと違うことも知られるようになりました。
ラグビーの場合は「国籍主義」ではなく「協会主義」でその国の代表が選ばれます。

つまり、国籍がなくても、その国のラグビー協会に属して、「その国の在住が3年以上」といった一定の条件を満たしていれば、代表になれるのです。
その代わり、一度どこかの代表になると、他の国、たとえば自分が生まれた国の代表にはなれないのが条件となっています。

日本生まれではない選手たちが日本チームに入ることによるメリットは、チームが強くなることだけではないように思います。

たとえば、主将だったリーチ・マイケル選手は、日本人の「和の精神」に異論を唱えています。チームの和を尊ぶあまり、たとえミスがあっても『ドンマイ』『ドンマイ』ミスの原因を追及しないですませてしまっている、と。
それでは強くならないから、あえて日本人らしくならないように気をつけて、ミスの原因を厳しく指摘しているのだそうです。
(参考:ラグビー日本代表は、なぜ31人中15人が外国人選手なのか?)

日本人がなかなか疑問を呈しにくい慣行に、新鮮な視点で問題提起をし、それを改めていく。そこに「異質な」人が入ることに大きな効用があるのだと思います。

ただ、そのためには、そういった異なる視点からの意見を受け入れる土壌がチームの側には必要です。
前提として、そのチームの目的が明確で、メンバーに共有されていれかどうかがカギです。異質な意見であっても、ゴール達成に効果があると判断できれば取り入れやすくなるからです。
ラグビーの場合は、「強くなる」「勝つ」という目標が明らかだから、リーチ・マイケル主将の意見も受け入れやすかったように思います。

実は、その組織の目標を明確にすること自体が、ビジネスの場合はそれほど簡単ではないことも多いのです。
営業のように数字で成果を測りやすい場合はともかく(それでも難しいところはありますが)、組織成果の測定基準が明確ではない部署もたくさんあります。
場合によっては「和を尊ぶ=波風を立てない」ことが、その組織の目的となっているることもあります。
そうした場合は、残念ながら「異論」を受け入れることは難しい。

「ダイバーシティ」が叫ばれ、組織の多様性を受け入れる素地は広がりつつあります。
その多様性を活かすには、実は目的を明確にして共有することが第一歩なのではないか。
ラグビーワールドカップの日本代表チームを見ながら、つい自分の仕事に照らして考えてしまいました。

 

←記事一覧に戻る

MENU

CLOSE