もう「ロールモデル」を目指さない
2016.09.22
明治大学教授で、テレビ等でコメンテーターとして活躍されている野田稔先生が、ダイヤモンド・オンラインで40代以降のキャリアについてコラムを書かれています。
その中で、ちょっとひっかかった記事がありました。
現在の女性管理職は、「女性なんて使えない」と言われてきた時代を経て、その評価を覆すために男性社会に同化・適応した。
だから、今の若い女性からするとロールモデルになりえない。
それを解決するには、今まで捨ててきた「女性性」に基づくリーダーシップも身につけるべきというお話しです。
お説ごもっともなのですが…
穏やかで優しいはずの(?)私の中で、別の誰かが叫びます。
「勝手なこと言うなよ!」
「じゃあ、過去に他の選択肢があったのかよ!?」
実は私自身が、ずっと「ロールモデルでありたい」と思ってきた人間でした。
具体的には、
仕事をばりばりこなし、同期の最早で昇格。
子供もいるけど、仕事と家庭を上手に両立。
料理は玄人はだしで、時には職場の人を家に招いておもてなし。
…いわゆるスーパーウーマンですね。
でも実際には、仕事ではマネージャーからの降格を経験
子宮筋腫で体調を壊し入院・手術することに。
その後に取り組んだ不妊治療は失敗。子供を持つことはかなわず。
料理は好きだけど、仕事の忙しさからご飯を作るのは数えるほど…。
現実は厳しい(^-^;。
でも、だからといって私が不幸かといったらそんなことはありません。
挫折したおかげで、キャリアコンサルタントという仕事に出会えたし、
病気のおかげで家族のやさしさを再認識することができました。
以前に思い描いていた「ロールモデル」が、本当に私が心から望んでいたものか、
振り返ってみると、どうも素直にうなずけない。
ただ世間で言われていた、働く女性の「こうあるべき」という姿に
翻弄されていただけのような気がします。
もし、私がロールモデルとして目指していた姿を実現できていたとしたらどうでしょう?
「あの人だからできたのであって、私には無理」
「そこまでしようとは思わない」
…などと言われてしまう可能性もあります。
そして、私自身は人の痛みのわからない、鼻持ちならない人間になっていたような気がします。
それほど「ロールモデル」と言われる姿は、心もとないもの。
立場や時代が変われば、その姿も変わるものです。
そう考えると、世間で言われる「ロールモデル」に右往左往するより、自分自
身が本当に望んでいるものが何かを模索し、
その実現に力を注いだ方がよいように思うのです。
さて、あなたの「本当の望む」自分はどんな姿ですか?
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