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セクハラリスクがあるから女性は営業に行かせない?

2019.03.18

先日、中国地方のあるメーカーで、部長や工場長層を対象としたダイバーシティ研修を行いました。

ダイバーシティを掲げていますが、特に女性部下に対する対応について取り上げてほしいとの依頼です。工場の交代勤務に来年度、女性が初めて配属されることが背景にあります。(交代勤務以外では、すでに女性が珍しい存在ではないようです)

女性部下に対応する上での課題として少なくない人があげたのが「セクハラ」の問題。自分たちの言動が、セクハラにあたるのではないかと心配されていました。

そこで、「取引先の部長が、部下の女性社員を気に入っているからという理由で(仕事ぶりを気に入っているのではないと示唆)、大型案件の受注がかかる接待の場に彼女を連れて行く」という事例を取り上げ、「セクハラになるのか?」「なるとしたら、どこが問題か?」ということを考えていただきました。

その事例では、当の女性は抵抗感を覚えているものの、部の成績のためと言われて何も言えない状態です。横にいる男性部下が「いいな・・・」と言っても、上司は声をかけません。誘ったのは女性だけ。

受講者の皆さんは、この事例の上司の言動を「セクハラ」と判断されていました。男性が楽しむ宴席での供応役は女性という性別分業役割意識が背景にあります。

宴席に連れていくぐらいなら問題ないだろう…
そう考える方もいるでしょう。

では、その後、もし客先の部長が、その女性と二人で二次会に行きたいと言ったら?
それを条件にとり非違の成約を匂わせたら?

どこに線を引くのでしょうか?
部下をハラスメントから守るのも上司の役割です。

話はそこで終わりませんでした。
そんな話をした時に、唯一参加していた女性管理職からの発言がありました。
「守らなくてはならないのはわかるが、だからといって営業に就かせなくなるような制約を設けられるのも違う」

おっしゃる通りです。
私も、守るために女性の働く場が限定されることを意図しているわけではありません。
ところが、「守る」=「女性を外に出さない」という発想に傾きがちなのも現実です。

では何をしたらよいのか?

まずは、今回のように、多様な視点から議論し、思い込みに気づくこと。
個々人の価値観や性格を尊重して田老宇する必要があること。
そして、企業の経営理念や行動指針に照らして、どういった行動をとったらよいのかのガイドラインを自ら見つけること。
そんなことを考えています。

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