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【登壇報告】管理職向けコミュニケーション研修

2018.04.09

4月。多くの会社では新年度を迎えますね。
新入社員研修の登壇が続きますが、実は3月の年度末にも研修登壇が続きました。

中でも印象的だったのは、管理職向けのコミュニケーション研修。
ITシステムの保守会社の現場を預かる方々です。

ITシステム保守の現場を預かる24時間体制を敷いているが、現場に若手が配属されず、慢性的な人手不足。50代以上の「先輩社員」にもシフトに入ってほしいのに、「入れない」と断られてしまう。
その会社では、過去からある一定年齢以上の社員は、緊急対応用のシフトに入らない暗黙の了解ができていたそうです。

しかし、それは若手人材が継続的にたくさん配属されていた時代のこと。
今は、若手はまず本社で開発部門に配属されるようになっているとのこと。
だから保守部門は、40代以上の中高年社員ばかりとなっています。
(それ以外には、外部委託先の社員が配属されている状況)

「シフトに入らない身勝手な先輩社員を何とかしたい」と嘆く管理職。
彼らに、実際にそうした先輩を叱るロールプレイを行ってみました。

「やる気を出してください」ということを、あの手この手で伝えようとする参加者。
しかし、彼らは半ばあきらめ気味。
「これまでもどんなに頼んでも入ってくれなかったんですよ」
「そもそもシフトに入らないことが既得権益化しちゃっているんですよ」

しかし、その中の一人が、「体調でも悪いんですか?心配なんですが」と言った瞬間、参加者の空気が変わりました。
中には「あ!」と声を上げる人も。

自分たちはいつの間にか、先輩社員が「やる気がない」と決めつけていたことに気づいた瞬間でした。
相手の身体のしんどさや、辛い思いをしているかもしれないことには思いを馳せておらず、一方的に相手が悪いと思い込んでいた事に気づいたのです。

いや、現実にはやる気がない人もいるかもしれない。
しかし、先輩社員には先輩社員なりの言い分がある。

たとえば、年齢とともに体力や技能の衰えを感じており、一人で対応しなくてはならない夜間の緊急案件をうまく処理できる自信を失っているかもしれません。
それは「やる気がない」というより、むしろ会社に迷惑をかけたくないという気持ちと取れます。

そこを汲み取らないことには、話が始まらないですね。

若い頃のことは、先輩からすると体験したことなので、いろいろ推測できます。
しかし、年取った未来のことは体験していないからわからない。
そこをどのように理解していくか…
高齢化社会での大きな課題であるように思います。

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