友に誘われ、善行寺詣り
2024.11.21
子どものいない者同士で、これからの人生について考えるコミュニティWINKo Lab.は昨年からスタートしたのですが、そのメンバーの有志の企画で善光寺詣りに行ってまいりました。
活動の一環で、バケットリスト(今後の人生で実行したことのリスト)を作った際、メンバーが「宿坊に泊まる」ということを上げたのに共感した人たちが一緒に実行しようと参加したののです。
私は長野五輪の年に、軽井沢での結婚式に参列の帰り、ちょこっと立ち寄って以来で、善光寺についてほとんど予備知識なく訪問。その結果、すっかり善光寺ファンになりました。
寺社仏閣の多くは、かつては女人禁制がほとんどだった時代から、善光寺は女性にも門戸を開いていたこと。その分、女性でお参りする人が非常に多かったのだそうです。
善光寺自体は特定の宗派は持ちませんが、運営にあたっているのは天台宗と浄土宗。そのうち、後者のトップのお上人様は女性(五摂家出身)が務めていらっしゃること。
現在は鷹司家ご出身の鷹司誓玉様と言う方。
お朝事に参加し、直接拝見することができました。
(お数珠頂戴。緑の袈裟の方の向こうにお上人様が…)
お経を読む声は張りがあり、マスクの上に見えた目は力がありました。しかしのちにお年を聞いてびっくり。なんと御年95歳!!五摂家ご出身と聞き、戦前の華族制度のもとで入門されたのかと思いきや、仏門に入られたのは1955年。法主に就任されたのは1997年。長野五輪の前年と、そんなに昔の話ではありません。
代々、五摂家に生まれた女性が、法主を務められているとのこと。
伝統と格式を絶やさぬよう、そして乳児院や老人ホームを運営するなど、彼女たちが社会的弱者のために多大な貢献をされてこられたことを知りました。
善光寺に先立って訪れた長野県立美術館では、東山魁夷館がありました。
信州の山で写生等をよくした東山画伯が死後に作品や遺品を寄贈されたのがきっかけでできたものです。
画伯が寄贈を思い立った理由として「自分には子どもがいないから」と述べられたのを読み、ふと胸をつかれました。
「自分の子ども」という形ではないけれど、次の世代に私は何を残せるのだろうか…?
そんなことを改めて考えた旅でした。